ダイレクトカッティング制作の例
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「ダイレクトカッティング」の記事における「ダイレクトカッティング制作の例」の解説
リー・リトナー『ジェントル・ソウツ』・『シュガー・ローフ・エクスプレス』(共に1977年)日本ビクターのプロデュースによる。ドラム以外はアンプを通したエレクトリックサウンドのため、電気録音以前に行われたようなアコースティック録音ではないものの、難曲の数々を一発録りしている。本作はテイク違いで二つの音源がある。現在CD化されているものは同時に録音されたテープをマスターとしている。 THE SQUARE『Midnight Lover』(1978年)初回のみダイレクトカッティング制作。 ザ・キング・トーンズ『DOO-WOP! Tonight』(1980年)大瀧詠一プロデュース。ロックンロール草創期のドゥーワップ曲のカヴァーであるため、まだSP盤が現役であった当時の録音状況を再現するためモノラルミックス・ダイレクトカッティングでの制作となった。後年同録テープを使用してCD化されたが、そこでもモノラルミックスのままである。 西島三重子『地球よ廻れ/ダイレクトカット45』(1988年)テープレコーダーを通さないためプレモニタができず、音溝が等間隔になっている。録音は公開で行われた。 ジム・ホール『無言歌』(1972年)CDでは「ライヴ・イン・トーキョー」と2in1でカップリングされている。なおCDに収録の音源は、ダイレクトカッティングと同時に録音されたテープを編集したものをマスターとしている。 ハービー・ハンコック『ダイレクトステップ』(1978年) ジョー・サンプル、レイ・ブラウン、シェリー・マン『ザ・スリー』(1976年)曲目が全く同じで別内容のテイク1とテイク2がそれぞれLPで発売された。CDには両方のテイクが収録されている。イーストウインド紙ジャケットCDシリーズの特典として、未発表テイクを収録したCDが応募者にもれなく進呈された。 グレイト・ジャズ・トリオ『ダイレクト・フロム LA』 ザ・ペンタゴン『ザ・ペンタゴン』(1976年)クリフォード・ジョーダン、シダー・ウォルトン、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンズ、レイ・マンティーラのグループ。 井筒香奈江『Direct Cutting at King Sekiguchidai Studio』(2019年)先述の『地球よ廻れ/ダイレクトカット45』以来31年ぶりとなり、21世紀では初めてのダイレクトカッティング盤となる。 高音質デジタル録音で有名なテラーク社も、デジタル導入前はダイレクト・カッティングを採用していた。 CD登場の初期、いわゆる「DDD」と呼ばれる全ディジタルの制作プロセスが一般的になる以前には、物理的な切り貼りで編集可能なアナログで編集されることもあったため、アナログなプロセスが介在していないCDとしてダイレクトカッティングに意味がある場合もあった。現在も、生演奏を直接CDのガラスマスターにカッティングして制作しているダイレクトカッティングCDも少数ながら存在するが、ハイレゾディジタルオーディオによって信号を欠落なく編集可能な現在は、音質などの面ではダイレクトカッティングの意味は薄く、一発録音によるアーティストの緊張感などの精神的な面での意味合いが大きい。
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