タマちゃんとPR会社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 17:56 UTC 版)
2002年8月7日、多摩川に迷入したアゴヒゲアザラシが撮影され、ビデオがフジテレビに持ち込まれニュースやワイドショーで取り上げられる。PR会社「プラップジャパン」がこれに目をつけ、素早いPR展開方法、批判を受けない上手な動物活用、河川事業PRの盛り込み方など緊急検討し、10日、国交省京浜河川事務所に、流域住民向けのアザラシによる河川事業PR計画を提案した。「いなくなる前に」という制約もあってか異例の即採用となった。16日にはアザラシ情報のページが開設され防災用カメラで映像中継も用意されるとアクセスが殺到し、メディアも連日取り上げるようになった。 プラップジャパンは、タマちゃん人気のみでは意味がなく、京浜河川事務所のメッセージを伝える機会であるとし、マスコミや住民対応についても助言していた。想定問答集を作り職員が同じ対応になるようにした。取材時に水質について質問があれば単に水質のみを答えるのではなく「多摩川の汚れの主な原因は生活排水なので、住民の意識でもっときれいにすることができる」と添えるよう教えた。この主張にしたがって記事やニュースを報道してもらえれば成功ということになる。また関係機関との調整やアザラシが死亡した場合の対応なども助言していた。 その結果、マスコミに取り上げられた件数(パブリシティ)8月15日〜9月15日の1ヶ月で在京TV局135番組、全国紙98紙。雑誌も含めた2ヶ月間の広告換算額 84億円。タマちゃんニュースに関連して、多摩川の水質浄化、自然環境や「親水事業」への理解や関心を扱った多数の報道。ウェブサイトのアクセス数を増やし市民の意見を集められたこと。などの十分な成果をおさめた。 京浜河川事務所は成果を国交省内の広報コンテストで発表し、裏方としてPR計画を進めたプラップジャパンもPRの目的が達成でき、自社の成功事例として紹介している。
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