タイ王国の農業に対する気候変動の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:28 UTC 版)
「タイ王国の農業」の記事における「タイ王国の農業に対する気候変動の影響」の解説
タイ王国は農業依存国家の1つである。同国は、広い国土面積と温暖で湿潤な気候を利用する点で比較的有利なために、世界で競争力を保ち続けることが出来た。農業単独で同国のGDPに対しおよそ1.26兆バーツ貢献した。しかし、近年の世界的な気候の変動のために、タイ王国の農業は試練に立たされてきている。 防災局によると、2011年末の洪水でタイ王国は大きな打撃を受けた。およそ400万の米農場が激しい影響を受け、約10万の魚と小エビ養殖所が失われ、家畜の損失は11万500頭と見積もられた。タイの農業が受けたこの損害はあまりにも大きく、タイ王国は世界をリードする農業国ではいられなくなりつつある。 気候変動の傾向に目を向けると、タイ王国の各地域で、気温は1.2~2度の範囲で上昇し続けると予想されている。また今後の降水量は、中央地域では減少すると予想されているものの、北部及び北東部周辺は増加すると予想されている。 このような気候変動が作物に与える影響を、タイ王国の農家は注視する必要があるだろう。北部地域では、激しい雨がキャッサバの苗木に被害を与える恐れがあり、中央地域では雨の減少がショ糖と米に被害を与える恐れがある。また、気温と水質の変化によって、家畜の体調に悪影響を与え、結果として家畜の質の低下につながる恐れがある。 タイ王国はこの問題に対し複数の対応策を取った。気温の上昇が始まってから、多くの政策や刷新グループ(気候変動の管理のための国家戦略や農業のための気候変動緩和計画など)が、タイ王国の農家を支援するために作られた。これらのグループや政策は、知識と情報、この問題に関して行われた研究を取り扱う「気候変動知識情報センター」や、水の消費高を予想し、多くの地域で水質の調整を行う「農業部門における水資源管理局」、近づく災害を予報し、自然災害の影響を受けた不運な個人に幾らかの援助を提供する「自然災害管理局」を作り上げた。
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