ソネットIII(1970年-1974年)
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「サーブ・ソネット」の記事における「ソネットIII(1970年-1974年)」の解説
ソネット・V4はアメリカ市場ではあまり好評ではなく、その原因をデザインがアグレッシブさに欠けているためだと判断したサーブは、イタリア人デザイナーのセルジオ・コッジオーラ(英語版)にソネットのデザインの手直しを依頼した。コッジオーラのデザインは車幅を大幅に拡張するプランであったので、グンナール・A・シェーグレン(英語版)によって既存のシャシーに合わせた手直しが行われて生産化された。後窓をそのままガラスハッチとされた3ドアクーペとなり、エンジンフード部分は完全に一新され、アメリカ市場におけるライバルとなったオペル・1900GTにも似たリトラクタブル式ヘッドライトが与えられた。この結果、IIではフロントフェンダーごとぱっくり開いたエンジンルームは小さなボンネットフードからしかアクセスできなくなった。また、フロアシフトよりも素早いシフトが可能だとしてサーブは96のラリーカーやIIにスポーツカーとしては異例にもコラムシフトを採用していたが、これもアメリカ市場の好みに合わせてフロアシフトとなった。また、同様の理由からエアコン(クーラー)もオプションで装備可能となった。また、1973年以降のモデルには衝撃吸収式バンパーが装備された。 V4エンジンは当初1,500cc55馬力であったが、1970年秋に登場した1971年モデルからは1,700cc55馬力に拡張され、厳しくなった排気ガス規制によるパワーダウンを補った。動力性能は0-100km/h加速13秒台に低下したが、高められたギアレシオとCD値0.31と優秀な空力性能によって最高速度は165km/hに改善された。 V4エンジンが厳しさを増す米国の排気ガス規制に対応できなくなったことから、1974年をもって生産を終了した。ソネットIIIの生産台数は10,236台で、サーブらしからぬほど強く米国市場を意識したモデルチェンジを行なったにも関わらず、ダットサン・240Zなどの敵にはなり得なかった。日本へは輸入されなかった。
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