セナパン・アンギン・シャープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 20:07 UTC 版)
「シャープ (空気銃メーカー)」の記事における「セナパン・アンギン・シャープ」の解説
一方、インドネシアでは中国のノリンコとは別の経緯でシャープの空気銃が「復活」を遂げている。 シャープ・チバ廃業後、シャープ・ブランドの空気銃の製造ライセンスはインドネシア資本に売却されたと見られ、2015年以降東ジャワ州スラバヤでの現地生産という形でエースハンターやイノバなどに相当するモデルの製造が継続されている。インドネシアでは1979年にインドネシア人技師により創業されたキャノン・エア社が存在していたが、新たにインドネシア製品として登場したシャープ・ブランドの空気銃は、瞬く間にキャノン・エア社製とインドネシア国内での人気を二分するブランドに成長したという。 インドネシア語では、空気銃は英語でウインド・ライフルを意味するセナパン・アンギン(Senapan Angin)という名称が用いられており、インドネシアではシャープの空気銃はセナパン・アンギン・シャープの名称で知られている。インドネシア製のシャープ空気銃は、2017年現在日本国内への輸入は行われていないが、シャープ・タイガーなど旧シャープ時代のモデルネームの復活や、インドネシア人の好みに合わせたと見られるキッチュなカラーリングのモデルや、シャープ・チバ時代には実現しなかった様々な形態のピストルグリップ銃床の装備など、精力的な商品展開が行われている。 ただし、インドネシア製のシャープ空気銃は、中国のノリンコのように大規模な企業が一括して大量生産を行っているものではなく、1969年に千葉謙介が日米で特許を取得した無撃鉄・無振動引金機構の構造を下敷きに、数多くの中小企業の町工場や家内職人の手で様々な仕様のものが製作されている状況で、一般的には銃床がマホガニー製や樹脂製、銃身は黄銅や鋼鉄製で12条のライフリングを持ち、最大射程が110mにも及ぶ高威力を持つ他、顧客の注文に応じて様々な仕様のものを製作できるとされている。しかしその一方で、製造元によってはエアタンクなどの重要な部品が樹脂製であるなど、酷使時の耐久性に課題があるものも多いとされており、インドネシアのシャープユーザーは「6項目の弱点」を理解した上で運用やチューニングを行っているのが現状であるという。
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