ジャバル・アッターリフとは? わかりやすく解説

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ジャバル・アッターリフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:13 UTC 版)

ナグ・ハマディ写本」の記事における「ジャバル・アッターリフ」の解説

文書発見経緯は、アラブ人農夫ムハマンド・アリー・アッサーマンが偶然土中から壷を掘り出したことにさかのぼる。1945年12月ムハマンドは、弟のカリファ (Kalīfah) と共にラクダ乗って、ジャバル・アッターリフ (Jabal al-Tārif) の南側へ出かけた。ジャバル・アッターリフは、ナイル峡谷北壁下限として北側連なる石灰岩からなる山岳地帯で、その南斜面には150上の洞穴ミツバチの巣のようにあいている。これらの洞穴はもともとは自然にできたものだったが、既に第6王朝時期には中をくりぬき彩色施して墓所として使っていた。 この地方では、サバッサ(硝酸塩含んだ軟土)をジャバル・アッターリフから掘り出して肥料として使っていた。ムハマンドがジャバル・アッターリフからの落石思われる巨大な石の周り掘ってサバッサを採取していたところ、鍬の先に何かが当たった掘り下げてみると、4つ把手付いた高さが1mもある素焼きの壷が現れた。この壷が出てきた場所は、ジャバル・アッターリフのふもとの第六王朝時代墓地跡(ケノポスキオンからほぼ真北に約30km北上した付近)から東に約1km離れた場所である。 当初ムハマンドは壷を割ることをためらっていた。ムハマンド証言によると、中にジン入っているのではないか恐れたからである。しかし、金(きん)が入っているかもしれない思い直して、鍬で壷を割ってみた。壷の中から出てきたのは13冊の本で、パピルスでできており皮で装丁されていた。ムハマンドその本を服でくるんでから肩にかけて、家に持ち帰った。この本が現在ナグ・ハマディ写本呼ばれているものであるムハマンド持ち帰ったあと本をばらして、かまどの隣に敷いてあったわらの上置いた。これらの写本最終的に全てコプト博物館収蔵品になったが、そこに至った経緯は複雑である。 この発見半年前の1945年5月7日夜に2人の兄弟父親アリー(畑の灌漑夜警仕事をしていた)が、見回り中に1人泥棒殺したアリーはその仕返し受けて翌朝までに殺された。この事件が、後のナグ・ハマディ写本運命関係してくる。 ムハマンド写本発見した1ヶ月後、家の近く道端日中暑さ眠りこけている男がいた。隣人がこの男を見かけると、男を指差してムハマンドに、お前の父親殺したのはこの男だ、と言った。この男は、アーマド・イスマイル (Ahmad Īsmāʻīl) という名で、警官イスマイル・フセインの息子だった。アーマドハワラ族で、父親はアル・カスル (al-Qasr) の外からやってきた人物だったので、では疎外されていた。 ムハマンドは、家に駆け込む兄弟母親にこのことを告げたアーマド捕まえると、一家で、アーマドの手足を徐々に切り刻み心臓をえぐり出して全員むさぼり食い血の復讐行ったハワラ族はジャバル・アッターリフのふもとに作って住んでいたので、復讐されることを恐れてこの後ムハマンドは壷を見つけた場所に近づこうとはしなかった。後に、ムハマンド説得して壷を発見した場所まで案内させたのだが、そのためには変装をさせ、政府護衛付け、更に金品見返り与えねばならなかった。

※この「ジャバル・アッターリフ」の解説は、「ナグ・ハマディ写本」の解説の一部です。
「ジャバル・アッターリフ」を含む「ナグ・ハマディ写本」の記事については、「ナグ・ハマディ写本」の概要を参照ください。

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