シリーズの終了と復活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 06:15 UTC 版)
「若大将シリーズ」の記事における「シリーズの終了と復活」の解説
1970年代に入って最初の『ブラボー!若大将』はこれまでとは趣きが違った作品となっていた。それは社会人篇で消えていたスポーツ競技が復活することになるが、大学篇時代とは違ってスポーツ万能の若大将ではなくなっていたのである。実業団テニスの決勝では辛勝する上、恋人にふられたあげく、会社の上司と衝突して会社を辞めてしまう。失意の中でグアムへと旅立ってしまうのだった。高度経済成長の翳りが作品に反映したのか、空元気の明るさで、最後のどんでん返しの復権も痛快さが感じられなかった。そして次作の『俺の空だぜ!若大将』では、青大将が専務を務める東海建設の平社員で、命令を受ける立場という不自由さが若大将を覆っていた。東宝サイドも加山若大将に見切りをつけ、ヒットシリーズを続けるために次世代へバトンタッチさせようと、大矢茂を二代目に指名した。そして1971年の『若大将対青大将』で、田沼雄一の実家である田能久の人々は登場せず、大矢若大将へとバトンタッチするのだったが、東宝のドル箱であったシリーズの一作としては惨憺たる結果となった。配給収入は7970万円強と1億円を割り込み、観客動員数も45万人と『アルプスの若大将』の(単独での動員数の)5分の1以下、『ブラボー!若大将』の半分にも満たない成績では、一旦打ち止めとするしかなかったのである。 その後、1975年頃に突如としてオールナイト興業が若い世代に人気となったのをきっかけに、若大将シリーズは一時低迷していた加山と共に再びブームとなり、草刈正雄主演による新作も2本作られたが、シリーズ化までには至らなかった。そんな折の1981年、加山雄三芸能生活20周年記念作品として『帰ってきた若大将』が制作された。おばあちゃん役の飯田蝶子はすでに亡くなっていたが、賀原夏子が加わり、草刈若大将でのマドンナ役だった坂口良子が今度は加山若大将のマドンナとなった。全篇が若大将シリーズのオマージュに溢れたこの作品は、配収10億円の大ヒットとなって、有終の美を飾った。
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