シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2017/11/11 16:37 UTC 版)
シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴは、UNESCOの世界遺産リスト登録物件のひとつであり、その名が示すように、フランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリングワイン、シャンパーニュ（シャンパン）の産地の文化的景観を対象としている（以下、基本的に地方名はシャンパーニュ、酒名はシャンパンで統一する[注釈 1]）。「メゾン」(maison)はフランス語で「家」を意味する一般的な語だが、他にも様々な意味を持つ。シャンパーニュではシャンパン製造業者 (Maison de Champagne) の意味もあり、シャンパン関連の日本語文献では、しばしばそのまま「メゾン」とカタカナ表記される[1]。「カーヴ」(cave) は地下室、地下倉などの意味で、地下のワインセラーの意味もある。この語もまた、シャンパンの熟成庫や醸造施設の意味として、日本ではそのままカタカナ表記されることがしばしばである[2]。世界遺産になっているのは、シャンパンに使われるブドウの栽培地、地下に広がるカーヴ群、世界的に名の知られたメゾンや、それが並ぶ大通りなどで、ブドウ生産からシャンパン販売までを包含している。
ウィキメディア・コモンズには、注釈
- ^ フランス語の原語では、地方名は la Champagne、酒の名前は le champagne で、固有名詞・一般名詞の違い以外に男性名詞・女性名詞の違いもある。
- ^ この調合のことをフランス語ではアッサンブラージュ (Assemblage) と呼ぶ。その比率は各メゾンの秘伝である（山本 2006, pp. 121-122）。
- ^ ルミュアージュは動壜（動瓶）などとも表記される。二次発酵でシャンパンの瓶に溜まる澱（おり）を取り除く準備として、1か月前後、傾けた瓶を少しずつ回して瓶の口に澱を集めていく作業。集めた澱を除く作業はデゴルジュマンという。
- ^ 「オーヴィイェ」と表記する例もあるが（世界遺産検定事務局 2016, p. 172）、シャンパン関連書籍で多く使われる「オーヴィレール」で統一する（シャンパーニュ委員会日本事務所 1997、吉村 & 宇田川 1999、山本 2006、ワイナート編集部 2013、大谷 2015）。
- ^ 日本語文献では「ルイナール」と表記されることもある（ワイナート編集部 2013 etc.）。
- ^ 日本語文献では「シャルル・エイドシック」とも表記される（山本 2006 etc.）。
- ^ l’Avenue de Champagne は「シャンパーニュ大通り」（地球の歩き方編集室 2016）のほか、「シャンパーニュ通り」（大谷 2015）、「シャンパン通り」（山本 2006）などと訳されることもある。なお、フランス語で街路を指す語はいくつもあるが、一般に avenue や boulevard は rue よりも大きな通りを指す。
出典
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 4
- ^ 大谷 2015, p. 174
- ^ 山本 2006, pp. 178-180
- ^ 山本 2006, pp. 181-182
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 10
- ^ a b c ICOMOS 2015, p. 176
- ^ 山本 2006, pp. 190-193
- ^ 「シャンパン」『日本大百科全書』
- ^ 山本 2006, pp. 210-211
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 76
- ^ 山本 2006, pp. 209-212
- ^ シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, p. 131
- ^ 山本 2006, pp. 212-213
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, pp. 14, 16
- ^ 山本 2006, pp. 213-214
- ^ 山本 2006, p. 215
- ^ a b c シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, p. 131
- ^ La Mission 2015, p. 18
- ^ 山本 2006, p. 399
- ^ 山本 2006, p. 400
- ^ a b c d ワイナート編集部 2013, p. 49
- ^ シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, p. 30
- ^ 山本 2006, p. 379
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 30
- ^ 山本 2006, pp. 225-226
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 20
- ^ 山本 2006, pp. 224-225
- ^ 山本 2006, pp. 229-230
- ^ 山本 2006, pp. 230-231
- ^ 山本 2006, pp. 233-234
- ^ 山本 2006, p. 236
- ^ 山本 2006, pp. 50-53
- ^ 山本 2006, pp. 53-60
- ^ Multiple Locations - Champagne Hillsides, Houses and Cellars（2017年10月21日閲覧）
- ^ ICOMOS 2015
- ^ 山本 2006, pp. 137-139
- ^ ICOMOS 2015, p. 175
- ^ ワイナート編集部 2013, p. 15
- ^ ワイナート編集部 2013, pp. 14-15
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 25
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- ^ a b 山本 2006, p. 138
- ^ ワイナート編集部 2013, p. 66
- ^ 山本 2006, pp. 302-303
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 63
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 62
- ^ 地球の歩き方編集室 2016, p. 269
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, pp. 28-29
- ^ La Mission 2015, p. 14
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- ^ a b シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, p. 70
- ^ 山本 2006, p. 222
- ^ a b 大谷 2015, p. 26
- ^ 山本 2006, p. 378
- ^ 山本 2006, pp. 399-400
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- ^ a b 山本 2006, p. 273
- ^ 山本 2006, pp. 273-274
- ^ 山本 2006, p. 274
- ^ シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, p. 46
- ^ 山本 2006, pp. 392-396
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- ^ ICOMOS 2015, p. 176
- ^ 地球の歩き方編集室 2016, p. 271
- ^ 大谷 2015, p. 164
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, p. 66
- ^ a b シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, p. 18
- ^ 吉村 & 宇田川 1999, pp. 66-67
- ^ 大谷 2015, p. 59
- ^ 山本 2006, pp. 366-369
- ^ a b シャンパーニュ委員会日本事務所 1997, pp. 50-51
- ^ Monuments historiques : Ancien établissement de viticulture de la maison Moët-et-Chandon, dit " Le Fort Chabrol "（フランス文化省）
- ^ ICOMOS 2015, p. 181
- ^ ICOMOS 2015, p. 174
- ^ ICOMOS 2015, pp. 177, 187-188
- ^ 東京文化財研究所 2015, pp. 286-287
- ^ 東京文化財研究所 2015, p. 287 なお、これらの事業の詳細は左記出典には挙げられていない。
- ^ 日本ユネスコ協会連盟 2016, p. 27
- ^ 日本ユネスコ協会連盟 2015, p. 26
- ^ 世界遺産検定事務局 2016, p. 172
- ^ 鈴木 2015, p. 43
- ^ 東京文化財研究所 2015, p. 285
- ^ 古田 & 古田 2016, pp. 153-154
- ^ 『なるほど知図帳 世界2016』昭文社、2016年、p.132
- ^ 『今がわかる時代がわかる世界地図 2016年版』成美堂出版、2016年
- ^ a b c d e World Heritage Centre 2016a より翻訳の上、引用。
[続きの解説]
「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」の続きの解説一覧
- 1 シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴとは
- 2 シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴの概要
- 3 登録経緯
- 4 登録基準
- 5 脚注
- シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴのページへのリンク
