オーヴィレール、アイ、マルイユ=シュル=アイの歴史的丘陵地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/11 16:37 UTC 版)
「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」の記事における「オーヴィレール、アイ、マルイユ=シュル=アイの歴史的丘陵地」の解説
ランスとエペルネーの間には、モンターニュ・ド・ランス(フランス語版)と呼ばれるブドウ栽培地が広がる。オーヴィレール(フランス語版)、アイ、マルイユ=シュル=アイ(フランス語版)の3つの(旧)コミューンにまたがる丘陵地はマルヌ川沿いにあり、モンターニュ・ド・ランスに含まれるが、隣接するブドウ栽培地のヴァレ・ド・ラ・マルヌ(フランス語版)の一部とされることもある。それらの丘陵地は、記録上裏付けられる範囲での、シャンパーニュ最古のブドウ栽培地群を対象としており、一緒に登録された4件のカーヴも、カーヴの中では初期の様子を伝えるものである。 シャンパーニュ地方はブドウ栽培の北限に近く、天候も安定しない。このため、年によって収穫量や品質に差が出やすいため、シャンパンの醸造においては、異なる収穫年のブドウから醸造されたワインをブレンドすることが行われる。収穫年の記載のない「ノン・ヴィンテージ」と呼ばれるワインがシャンパンの8割を占めるのは、そうした地域特有の事情による(残り2割は特定の当たり年のブドウのみで醸造されたワイン)。しかし、白亜質の土壌は水捌けのよさとブドウ栽培に適した保湿性を併せ持ち、その地下のカーヴはシャンパンの醸造に適した冷涼な環境を作り出す。 アイの場合、マルヌ川に面した斜面が真南を向いており、寒冷な地域にあっても日照を確保しやすい地形である。アイはランス、エペルネに次ぐシャンパン生産の重要地とも位置づけられ、そのアイのワインは古くから知られていた。アイには1584年まで遡れるシャンパーニュ現存最古のメゾンであるゴセ (Gosset) があり、更に遡れば、メロヴィング朝以来、ランスでの歴代国王の戴冠式に供されたワインは、アイとオーヴィレールで生産されたワイン(当時は非発泡性)に限定されていた。 オーヴィレールは前述の通り、オーヴィレール修道院を擁し、ドン・ペリニヨン修道士とも縁の深い場所である。
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