シェイクスピアの史劇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 01:06 UTC 版)
ウィリアム・シェイクスピアの最初期の作品『ヘンリー六世 第1部』(1591年 - 1592年)、『ヘンリー六世 第2部』(1590年 - 1591年)、『ヘンリー六世 第3部』(1590年 - 1591年)そして『リチャード三世』(1592年 - 1593年)は百年戦争末期から薔薇戦争の時代を題材とした歴史劇であり、「第1・四部作」と呼ばれている。エドワード・ホール(英語版)の『年代記』(1548年)、ラファエル・ホリンズヘッドの『年代記』(1577年、1587年)などが材源に用いられた。『ヘンリー六世』三部作については成立時期とともに執筆者を巡っても議論が続いており、第一部は合作説が強い。 歴史劇なので必ずしも史実に忠実ではなく、劇的効果のために人間関係は大胆にアレンジされ、事件の時系列は圧縮されている。リチャード3世は醜い容貌のせむし男として描かれ、劇中で王冠を狙う野心を吐露して悪党になると宣言する、際立った印象を与える人物となっている。「第1・四部作」は幼王を殺害して王位を簒奪した悪王リチャード3世がヘンリー・テューダーに倒され、テューダー朝の成立により真の平和がもたらされて完結する。 その後、これらの歴史劇が一度に上演されることはほとんどなかった。1963年、ジョン・バートン(英語版)とピーター・ホール(英語版)がこれらの作品を要約した『薔薇戦争』(The Wars of the Roses)を製作し、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによる上演を行った。この上演は1965年にBBCで放映された。1981年から1982年には原作の変更を最小限にとどめた4部作が上演され、BBCで放映されている。 『リチャード三世』は様々な形で、たびたび映画化されている(リチャード三世 (シェイクスピア)#映画化作品を参照)。
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