シェイクスピアか、シャクスピアか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:56 UTC 版)
「シェイクスピア別人説」の記事における「シェイクスピアか、シャクスピアか」の解説
エリザベス朝時代のイギリスでは表記法(スペリング)の規格が統一されていなかった。そのためストラトフォードのシェイクスピアの生涯を通じて書き記された彼の名前には、「シェイクスピア(Shakespeare)」を含む何通りもの表記揺れが見られることとなった。刊本において劇作家の名前の第1音節は一貫して「シェイク-(Shake-)」と表記されているのに対して、ストラトフォードの男について言及している公文書においては1文字足らずの「シャク-(Shak-)」と書かれていることが多く、中には「シェイグ-(Shag-)」「シャック-(Shax-)」などというものさえあるという点を反ストラトフォード派の研究者は指摘する。そしてこれを典拠として彼らは、劇作家の「シェイクスピア(Shakespeare, Shake-speare、いずれも刊本の扉における表記)」とは別人であるということを強調するために、ストラトフォードの俳優シェイクスピアについては「シャクスピア(Shakspere、洗礼の記録はこのスペルで記されている)」ないし「シャクスピヤ(Shaksper)」と呼び習わしている。これに対してストラトフォード派の研究者は、まるでストラトフォードの俳優が一度も劇作家と同じ表記では名前を書かなかったかのような、事実に反する謬見を与える印象操作であるとして、こうした慣例には反対している。名前の表記揺れがこうした論争の的となってきたという事実がある以上、本稿においては両派が用いている表記「シェイクスピア」で統一する。
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