ヨウ化シアンとは? わかりやすく解説

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ヨウ化シアン

(シアン化ヨウ素 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/28 15:21 UTC 版)

ヨウ化シアン
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.007.322
EC番号
  • 208-053-3
PubChem CID
RTECS number
  • NN1750000
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
ICN
モル質量 152.92 g/mol
外観 無色針状結晶
密度 1.84 g/cm3
融点 146.7℃ [1]
熱水に可溶、水に緩やかに反応
溶解度 エタノールエーテルに可溶
熱化学
標準生成熱 fH298)
160.5–169.1 kJ/mol
危険性
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
3
0
0
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

ヨウ化シアン(ヨウかシアン、cyanogen iodideまたはiodine cyanide)は化学式 ICN で表される有毒な無機化合物であり、ヨウ素シアンの擬ハロゲン化合物である。分析用試薬として、主にチオ硫酸ナトリウム溶液の容量分析に使われる[2]


製法、反応

水中でヨウ素シアン化ナトリウムを反応させたのち塩素を加えて冷却し、生成物をエーテルで抽出する。146.5℃以下で結晶を生じる。ヨウ化シアンを水酸化ナトリウム溶液に加えると、シアン化ナトリウム・ヨウ化ナトリウムヨウ素酸ナトリウムを生じる[2]

安全性

強い毒性と催涙性があり、目・皮膚・気道に対し強い刺激性がある。細胞呼吸に影響を与え、痙攣や意識喪失が生じ、重篤な場合には死に至る。長期的には甲状腺に障害を及ぼすことがある。酸・塩基・アンモニアアルコールとの接触、二酸化炭素との反応で猛毒のシアン化水素を生じる。水との緩やかな反応でもシアン化水素を生成する。不燃性であるが加熱により分解し、有毒ガスを生じる[3]

脚注

  1. ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0070494398
  2. ^ a b 松岡敬一郎『ヨウ素綜説(第二版)』霞ヶ関出版、1992年。ISBN 9784760301355 
  3. ^ 国際化学物質安全性カード

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