サーボ型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 04:41 UTC 版)
サーボ(英: servo)型はドラムブレーキの原理を利用した方式で、歯車に円筒形状のくぼみを設けて、内側にC字形状のシンクロナイザーリングを配置し、その内側にスラストブロック、ブレーキバンドおよびアンカーブロックを組み込んだ構造である。ハブがスライドすると、ハブと共に回転するシンクロナイザーリングの外側円筒面と歯車の内側円筒面とが接触して、回転差がシンクロナイザーリングに伝達される。回転差によるトルクを受けたシンクロナイザーリングがスラストブロックを介してブレーキバンドを押し、アンカーブロックを支点にブレーキバンドが押し広げられる。ブレーキバンドはシンクロナイザーリングを押し広げて、歯車の内側円筒面とシンクロナイザーリングの外側円筒面に生じる垂直抗力が増やされ、さらに摩擦力が高くなるサーボ(倍力)効果を発生する。サーボ(倍力)効果により、軽い操作力で同期動作が行われる。また、押し広げられたシンクロナイザーリングの縁がスリーブのスライドを阻止するが、同期が完了するとブレーキバンドから受けていた押し広げる力がなくなってボーク機能が解除され、スリーブが歯車のスプラインと噛み合う位置までスライドできるようになる。 ポルシェが開発したことからポルシェタイプシンクロ(英: Porsche type synchro)とも呼ばれ、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}1952年のポルシェ・356に初採用された。アンダーライセンス供与によりポルシェ以外の他社製ミッションでも多用された機構であるが、ポルシェ自身が1987年を最後に後述のワーナーシンクロに切り換えた事もあり、近年では採用する車種は少なくなっている[要出典]。 ポルシェシンクロはシンクロ作用が強い反面、摩耗による機能低下も早い傾向があり、シンクロの効き方も最初は緩やかでブレーキリングが作動し始めると一気に効き方が強くなることから、この機構を採用したポルシェ内製ミッションは「蜂蜜を棒で掻き回すようなシフトフィール」と形容された[要出典]。
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