コクランアーミテージ検定とは? わかりやすく解説

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コクラン・アーミテージ検定


例題
 「表 1 のようなデータにおいて,5 群の比率独立変数線形傾向があるか検定しなさい。」
表 1数値例
独立変数 ケース 陽性 比率 比率推定値
10 30 2 0.067 -0.047  
20 35 4 0.114 0.169  
30 47 14 0.298 0.385  
40 21 13 0.619 0.601  
50 45 39 0.867 0.817  



R による解析:
前もって定義されている関数を使う場合

> prop.trend.test (c(2, 4, 14, 13, 39), c(30, 35, 47, 21, 45))

	Chi-squared Test for Trend in Proportions

data:  c(2, 4, 14, 13, 39) out of c(30, 35, 47, 21, 45) ,
 using scores: 1 2 3 4 5 
X-squared = 68.5727, df = 1, p-value = < 2.2e-16

新たに定義した関数を使う場合

> Cochran.Armitage(c(2, 4, 14, 13, 39), c(30, 35, 47, 21, 45))

        Chi-sq. d.f.      P value
Trend 68.572732    1 1.110223e-16
Quad.  4.014484    3 2.599043e-01
Homo. 72.587216    4 6.439294e-15



コクラン・アーミテージ検定


外的基準連続変数であるときに,各群の比率外的基準線形傾向があるかどうか検定する
注:元々は線形傾向検定であったが,傾向検定単調増加検定)として使われることも多い。そのような場合には,外的基準は必ずしも必要ない(外的基準ない場合には,等間隔整数値を仮定する)。


例題
 「表 1 のようなデータにおいて,5 群の比率独立変数線形傾向があるか検定しなさい。」
表 1数値例
独立変数 ケース 陽性 比率 比率推定値
10 30 2 0.067 -0.047  
20 35 4 0.114 0.169  
30 47 14 0.298 0.385  
40 21 13 0.619 0.601  
50 45 39 0.867 0.817  



検定手順:
  1. 表 2 のように,k 個の群があるとき,第 i 群に対応する外的基準Xiケース数を niそのうち対象とする特性を持つケース数(ここでは陽性数と呼ぶことにする)を ri とする。
    表 2.コクラン・アーミテージ検定を適用するデータ形式
    第 1 群 第 2 群  …  第 k 群
    ケース n1 n2  …  nk
    陽性 r1 r2  …  rk
    比率 p1 p2  …  pk
    外的基準 X1 X2  …  Xk
    コクラン・アーミテージ検定

  2. 各群の比率 pi = ri / ni外的基準 Xi直線的な関係があると仮定すると,比率予測値は コクラン・アーミテージ検定表せる。
    a,b は次式で推定できる
    コクラン・アーミテージ検定
    コクラン・アーミテージ検定
    例題では,a = -0.2624224,b = 0.02158385 となる。比率予測値は,表 1 に示すようになる
  3. 直線傾き(b)が 0 であるかどうか検定傾き有意性検定)は,次式の χ2T が自由度 1 の χ2 分布に従うことを用いて検定できる。
    コクラン・アーミテージ検定
  4. 各群の比率直線では表しきれない傾向があるかどうか直線性検定)は,次式の χ2Q が自由度 k - 2 の χ2 分布に従うことを用いて検定できる。
    コクラン・アーミテージ検定
  5. 各群の比率に差があるかどうか検定するのは k×2 分割表の χ2 検定行える。式の χ2H は,自由度 k - 1 の χ2 分布に従う。
    コクラン・アーミテージ検定
  6. 比率一様性検定では,各群に順序関係があるときにもその情報利用していない。
    コクラン・アーミテージ検定は次式のように,比率一様性検定目的とする χ2H 統計量直線式で説明できる部分 χ2T と直線式からの乖離部分 χ2Q に分割する
    コクラン・アーミテージ検定
    実際計算では,χ2H と χ2T を先に計算し,χ2Q は上の式から求めれば計算が簡単である。
  7. 結果表示表 3 のように行う。これらはちょう一元配置分散分析において,全分散を級内分散と級間分散に分解することや結果分散分析表の形で表現することに似ている
    表 3.コクラン・アーミテージ検定の結果
    要因 χ2 自由度
    傾き χ2T 1
    直線からの乖離 χ2Q k - 2
    合計(非一様性 χ2H k - 1

    例題では,表 4 のようにまとめられる
    表 4.コクラン・アーミテージ検定の結果
    要因 χ2 自由度 有意確率
    傾き 68.57273 1 < 0.001
    直線からの乖離 4.014484 3 0.25990
    合計(非一様性 72.58722 4 < 0.001

  8. 検定結果の解釈は以下のようになる

    例題では,各群の比率は,独立変数値と直線的な傾向を持つといえる





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