グレグジット
グレグジット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 08:52 UTC 版)
「アレクシス・ツィプラス」の記事における「グレグジット」の解説
詳細は「ギリシャのユーロ圏離脱」を参照 ツィプラスが所属するSYRIZAは2015年1月の総選挙にて、EUやIMFが強いる緊縮財政に終止符をうつと国民に約束して選挙に勝った。その選挙公約を履行したいSYRIZA側は、IMFらの要求をはねつけた。そのSYRIZAのリーダーとして、そしてギリシャのリーダーとしてツィプラスはEU側の首脳と連日交渉を重ねてきたが、交渉は決裂した。ツィプラスによれば、5か月以上に及ぶ厳しい交渉の末、欧州連合はギリシャの民主主義とギリシャ国民へ最後通告を突きつけたのだという。 ギリシャ政府はIMFや欧州連合から提起された155億ユーロの金融支援を拒否した。金融支援の交換条件である財政緊縮プログラムによってギリシャ経済が更なる不況に陥るからである。これに関してドイツ首相アンゲラ・メルケルは、IMFとEUからの金融支援オファーは非常に寛容なものだと述べた。これに対しツィプラスは、IMFやEUがギリシャ政府に脅迫状(ブラックメール)や最後通告をつきつけてくることを非難した。ギリシャは、IMFに対して債務不履行(デフォルト)を行った史上初の先進国となった。 ツィプラスはその緊縮財政政策をギリシャが受け入れるかどうかについて、国民投票にかける意向を示した。7月5日に行われるその国民投票の結果を尊重するとツィプラスは述べた。結果は緊縮反対が61.3%となった。 この国民投票はギリシャのユーロ離脱を問うものではなく、EUやIMFがギリシャに突きつける緊縮財政政策をギリシャ側が受け入れるかどうかを問うものである。ギリシャ側は単に主権国家としての権利を行使しているだけであるが、欧州連合はギリシャに強硬な姿勢を貫く。ドイツ副首相ジグマール・ガブリエルは、ギリシャ国民がその国民投票でYesかNoを選択することは、ギリシャがユーロ圏に残るか残らないかであると述べた。フランス大統領フランソワ・オランドは、焦点はギリシャがユーロ圏に残るかユーロ圏を去るリスクをとるかだと述べた。欧州委員会委員長ジャン=クロード・ユンケルは、国民投票でNoを選択することはギリシャが欧州に対してNoということを意味すると述べた。 ギリシャ財務大臣ヤニス・バルファキスは、この件についてギリシャ政府が欧州司法裁判所に差し止め請求する用意があることを示した。リスボン条約には欧州連合からの自発的脱退についての条項はあるものの、基本的に欧州連合の条約にはユーロ圏強制脱退についての条項はない。ギリシャのユーロ圏残留についての議論は交渉のテーブルにのるべきものではないとバルファキスは述べた。 2018年6月にユーログループは債務軽減策で合意し、同年8月にギリシャは国際金融史上最大ともされる8年にわたるEUやIMFの金融支援から脱却して市場で国債を発行して資金調達することが可能になった。
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