グランドサルーン(スタンダード車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 10:00 UTC 版)
「ジパング (大阪府)」の記事における「グランドサルーン(スタンダード車)」の解説
1983年に25台導入された、ネオプランに続く二階建車としてMANの22.280HOCRの3軸シャーシを採用した。導入後すぐに大阪日本観光に12台が移籍された。フォイト製の液体式トルクコンバータートランスミッションを搭載したボタンシフトによる4速セミAT車でもあった。元々本国では観光バスではなく、シティ路線バスとしてのシャーシであったため、エンジンの出力も280馬力と小さく、ストップ・アンド・ゴーに対応するためにトルクコンバーターと組み合わされていた。このATはDレンジがなく、発進時は1速のボタンを押して発進し、速度が上昇していくにつれて2、3、4とボタンを押してシフトアップをするもので、シフトダウン時もその都度ボタンを押してシフトダウンするというものであった。シフト時はアクセルによる、ある程度のエンジン回転数の同調を図らねばならず、このATの故障原因のほとんどは、シフトミスによる急激なエンジン回転の変動で、トルクコンバーターに過大な負担がかかり、トルコンの羽根を破損させてしまうというものであった。当初の導入計画では、2階建てバスによるシティ路線バスの運用を提案するために、このようなシャーシ設計での導入であった。このことから高速走行が不得手なため、どちらかというと近距離を大量輸送するために特化して使用されていた。大阪日本観光との業務の差別化を明確にするために、比較的早期に残りの13台も移籍された。なお、初期導入車は日本の2階建てバスとしては珍しく前扉しか装備されておらず、一部の車体では2階席へ通じる階段が前方と後方の2箇所にあった。エアコンが直結仕様で先に記述のとおりエンジンの出力が低いということもあり、夏場は稼働率が低かったといわれる。1階席はサロンタイプと正席タイプに二分され、特にサロンタイプは様々な仕様が存在した。また車内において麻雀が出来ることを売りにしていたそのフリースペースは、本来サブ・エンジン方式によるエアコンユニットの搭載位置であった。なおMANの3軸シャーシの第3軸は、ネオプランと違ってステアしないリジットアクスルである。
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