グラム染色性による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/17 05:15 UTC 版)
「グラム染色」の記事における「グラム染色性による分類」の解説
代表的な細菌について、グラム染色の結果を示すと以下のようになる。 グラム陽性球菌ブドウ球菌属(ブドウの房状に配列する。黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などが含まれる) レンサ球菌属(直鎖状に配列、双球菌、4連、8連球菌など。肺炎球菌、溶血連鎖球菌などが含まれる) 桿菌芽胞を作る菌:バシラス属(炭疽菌、枯草菌など)とクロストリジウム属(破傷風菌、ボツリヌス菌など) コリネバクテリウム属(ジフテリア菌など) リステリア属 乳酸桿菌(ラクトバシラス属、ビフィドバクテリウム属) プロピオニバクテリウム属(ニキビの原因となるアクネ菌など) 放線菌(アクチノミセス属など) グラム陰性球菌ナイセリア属(淋菌など) ブランハメラ属 桿菌シュードモナス属(緑膿菌など) 腸内細菌科(大腸菌、サルモネラ、赤痢菌、ペスト菌、クレブシエラ属など) レジオネラ(ただし、レジオネラはグラム染色では染色性が良くないので、微生物学的な同定にはヒメネス染色を用いる。) ヘモフィルス属(インフルエンザ菌など) ブルセラ属 ボルデテラ属(百日咳菌など) らせん状桿菌ビブリオ属(コンマ状形態をとる:コレラ菌、腸炎ビブリオなど) スピロヘータ、スピリルムなど リケッチア....リケッチア、クラミジアは細胞壁にペプチドグリカンを欠く。 クラミジア マイコプラズマ....マイコプラズマは細胞壁そのものを持たないため、染まらない。 グラム不定性抗酸菌(分類上は放線菌に近くグラム陽性:結核菌、らい菌など) なお、グラム染色法自体は真正細菌以外の細胞にも行うことが可能であり、その場合、細胞壁の有無によって染色性が決まる。動物細胞はグラム陰性に、植物細胞や真菌細胞はグラム陽性に染まる。一般的な古細菌は、S層と呼ばれる細胞壁を持つがグラム陰性である。その他、一部のシュードムレインを持つ古細菌(メタノピュルス綱、メタノバクテリウム綱など)や、大型のウイルス(ミミウイルス)もグラム陽性に染まる。しかしながら、これらは真正細菌の細胞壁合成を阻害するペニシリンなどの抗生物質に対し非感受性である。
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