クロンカイト時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 09:54 UTC 版)
「CBSイブニングニュース」の記事における「クロンカイト時代」の解説
1962年4月16日、ウォルター・クロンカイトが後任のアンカーに就任し、1963年9月2日、番組名は正式に『CBSイブニングニュース』と変更される。 ジョン・F・ケネディ大統領時代の1960年代、クロンカイトはNBCの『ハントリー・ブリンクリー・リポート』に劣っていた番組視聴率を就任後トップに引き上げた。クロンカイトの真摯な報道姿勢はアメリカ国民の70%以上から支持され、クロンカイトは別名「大統領よりも信頼できるニュースアンカー」と呼ばれるほどであった。クロンカイトの存在がこの番組の全盛期を築いたといえる。 『CBSイブニングニュース』は、その日一日に起きたニュースをスタジオからメインアンカーがまとめて放送するという形式を初めて採用したニュース番組であり、現在、この方式は世界中のテレビ局で採用されている。そのため、この番組は他のニュース番組と比べて歴史的に特別視されている。 ベトナム戦争について、クロンカイトは当初は客観的な立場からの報道を続けていたものの、南ベトナム解放民族戦線による南ベトナムへの攻撃「テト攻勢」が起きると、1968年2月に「民主主義を擁護すべき立場にある『名誉あるアメリカ軍』には、これ以上の攻勢ではなく、むしろ交渉を求める」と厳しい口調で発言。ベトナム戦争継続に反対を表明し、アメリカの世論に大きな影響を与える。クロンカイトの発言を聞いた当時の大統領リンドン・ジョンソンは「クロンカイト(の支持)を失うということは、アメリカの中産階級(の支持基盤)を失うということだ」と嘆いたという。その後、保守派の多くもベトナム戦争継続に懐疑的となり、ジョンソンは再選を目指す1968年アメリカ合衆国大統領選挙への立候補断念を発表するに至った。 1980年2月14日にクロンカイトは番組からの降板を発表し、1981年3月6日をもって降板する。これはCBSの定年退職制度によるもので、番組降板後もクロンカイトはCBSやCNNなどの特派員や執筆活動を通じてジャーナリストとして活動した。
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