クラフツマンシップ(職人の手仕事、匠の技、仏語でサヴォアフェール)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 08:33 UTC 版)
「オートクチュール」の記事における「クラフツマンシップ(職人の手仕事、匠の技、仏語でサヴォアフェール)」の解説
フランス社会は手を使って行う仕事に対してのリスペクトが強く、手の仕事を目指す若者も多く存在する。職人組合に所属し、技術を伝えていくことを本当の豊かさとし、技術を個人だけで終わらせるのではなく、技術を高めながら次世代に伝えることが重要視されている。フランスでは技術を伝える職業教育が充実していて、職業学校や研修制度のシステムが設置されている。職人の世界も専門職業学校があり、授業で技術を学び、国家試験に合格すると「職業適格証(CAP)」や「工芸職人免状(BMA)」を取得できる。クチュリエ(女性の場合はクチュリエール、お針子)志望ならばメゾン(ファッションの老舗ブランド)などで実践を学ぶスタージュが義務付けられている。アトリエ(オートクチュールの仕事場)や企業で働くスタージュ制度を経て職人として就職する流れができている。企業側も研修生を受け入れるのが当然のこととされている。腕さえ良ければジェンダーや国籍も関係ない。職人へのレールは既に敷かれているので、勉強する意欲さえあれば職人になることは実現できる。アトリエには服を製作する際、サンプルの服を着用するフィッティングモデルも存在する。人が着た時の見え具合や着心地等を確認するため必須の存在で試着の段階で作業がやり直しになるケースもあり得る。一方で後継者不足問題も存在する。フランスのラグジュアリーファッション産業は高い売上高を誇っているにも関わらず、中小~中堅企業は人材不足に悩まされている。原因としては、修業期間の長さ、少ない職、高くない給与が挙げられる。また、プレタポルテの台頭により1980~90年代にかけて多くの職人たちが仕事を失ったため、不安定な職業と見られるようになったことも要因のひとつである。フランスの国家機関「ラグジュアリー&モード産業戦略委員会」は現状を打破すべく、雇用創出プロジェクトを立ち上げている。
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