キャビンへの積載
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:28 UTC 版)
「CH-47 (航空機)」の記事における「キャビンへの積載」の解説
キャビンは完全な箱型で、内部に大きな突起物はないため、基本的にはカーゴランプから入りさえすれば積載可能である。胴体断面は完全な四角形ではなく、キャビンとして使えるのは高さ1.98×幅2.29メートルの範囲である。また貨物の取り回しのため、機内にHICHS(helicopter internal cargo-handling system)のレールとローラーコンベアを設置する場合、キャビンは高さ1.92×幅2.13メートルとやや狭くなる。 キャビンの奥行きは9.30メートルで、一番奥までHICHSのレール/ローラーを配置した場合、標準的な軍用パレット (463L master pallet) であれば3枚を搭載できる。一方、車両を搭載する場合は後ろ向きに自走して搭載することになっており、陸上自衛隊では高機動車や1/2tトラックを搭載可能とされる。高機動車を搭載する場合、天井に擦らないように前ガラスを倒す必要があり、左右も拳1つ分程度の隙間しかない。 人員輸送に用いる場合、標準的には壁面に設けられた兵員用座席が使用される。CH-47Dでは左舷側に17席、右舷側に16席が設けられており、左舷側最前部は部隊指揮官の席とされていた。一方、CH-47Fでは部隊指揮官の席がコクピットセクションのバルクヘッドに背を向ける位置に移動されて、コクピットに向かう通路の右側にクルーチーフ席、左側に部隊指揮官席が設けられる配置となり、クルーチーフ席と部隊指揮官席はコクピット内のフライトクルーと同様に耐弾装甲が施された耐衝撃座席となった。 このように、配置に変更はあったものの、基本的には乗員3名(操縦士と副操縦士、クルーチーフ)と兵員33名が標準的な構成である。ただし左右の座席の間に更にセンターシートを追加すれば、最大55名まで搭乗できる。また緊急時であれば更に増加させることも不可能ではなく、ベトナム戦争中のハート・アンド・マインド作戦の際には、1機が一度に147名の住民を空輸したという記録もある。 負傷者後送(CASEVAC)を想定して、機内には担架を配置する準備もなされている。最大で4段式の担架を6か所に配置することができ、この場合は、応急処置のため添乗する衛生兵のための2席のみを残して、兵員用座席は撤去される。一方、担架を24床すべて搭載する必要がない場合には、軽症者や避難者のために担架を減らして座席を増やすこともでき、例えば担架を8床とすれば兵員用座席21席を設置することができる。 両舷壁面の人員用座席の座面を降ろした状態 搭乗し、着席していく空挺隊員 パレットを用いた物資の卸下作業 パレットを用いて搭載された物資の固縛作業 CH-47JAから卸下される高機動車
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