オートガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 03:32 UTC 版)
「液化石油ガス」も参照 LPG自動車用の燃料として販売されるLPGは、オートガス(英: Autogas)と呼ばれる。規格上はプロパンとブタンを8:2の割合で混合したものであるが、プロパンの割合は地域や季節に応じて30%から99%の範囲で混合される。常温では1MPa以下の比較的低い圧力で液化し、体積が250分の1となることからガス燃料としては可搬性に優れる。オクタン価はハイオクガソリン(プレミアムガソリン)並み以上の105程度である。 LPG自動車へのガス充填所は、専門のガススタンドがオートガスステーションとして存在する(日本では約1900箇所)。ガソリンスタンドと同様に、主にLPG事業者が元売の看板を掲げて運営していることが殆どで、タクシーの密集地域を中心に単独で設置している例もあるが、大半が中間充填所の内部設備の一部としての設置であり、この場合は建物用とタンクを共有している。小分け配送の場合は10kgから50kgのボンベに詰められる。オートガスステーションでの販売価格は1L単位で販売し、1L=85-100円程度(2008年(平成20年)5月)とガソリン・軽油に比べて安価で、消費税以外の地方税を課している地域はなく、ガソリンよりも割高になるケースはない。 日本でのLPG単価をガソリンや軽油と比較すると、一例として、2007年11月時点でレギュラーガソリンは145円、軽油は121円であるのに対し、LPGは84.1円である。2010年3月時点ではレギュラーガソリンは131.3円、軽油は110.5円に対し、LPGは85.0円(店頭現金価格)である。価格には国税である石油ガス税が9.8円/L(17円50銭/kg)が含まれている(地方税はない)。天然ガスと比較すると、道路財源(道路特定財源制度)としての燃料課税は無税で、2007年4月の時点における東京地区の価格は71.03-84.68円/Nm3となっている。 タクシーに乗った際の臭いは、ガス漏れ検知用の臭い成分が燃焼により化学変化を起こしているためだが、最近は自動車排出ガス規制強化で無臭になりつつある。排出ガス規制の強化前の車両であっても燃焼方式の近いガソリン車より排気の臭いは弱い。これは、ガソリン車は燃焼時にエンジンオイルの成分も取り込んで燃焼されるのに対し、LPガス車はこれが混ざらずに燃焼されるためである。
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