オリノコヘビーオイルとは? わかりやすく解説

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オリノコヘビーオイル


オリノコタール

読み方おりのこたーる
【英】: orinoco tar
同義語: オリノコヘビーオイル  

ベネズエラオリノコ川北岸、約 5 万 km2広大な地域帯状賦存する超重質油
オリノコタール(ウルトラヘビーオイル)は、カナダオイルサンドオイルサンド参照とともに非在来型石油資源のなかでは、超重質油または天然ビチューメン呼ばれている。超重質油天然ビチューメンの定義は国や機関によって一律ではないが、世界石油会議 WPCWorld Petroleum Congress)の定義に従うと、API 比重10 度以下で、粘性10,000 センチポアズ(Cp)以下のものを超重質油10,000 Cp上のものを天然ビチューメン呼んでいる。成因的には、地下深部生成された油が移動する途中、または貯留岩移動集積した後に、軽質分、揮発分が失われ重質化したのである
ベネズエラのウルトラヘビーオイルの資源量については、原始量で 1.2バレルそのうち将来的開発可能なものが 2,600 ~ 2,700バレルといわれており、ほぼ同量あるといわれているカナダオイルサンドとともにサウジアラビア通常原油埋蔵量にほぼ匹敵する量である。
ベネズエラのウルトラヘビーオイルとカナダオイルサンドとの性状比較では、同一条件圧力温度等)のもとでは大差ないしかしながら産状違いから、その開発様式大きく異なる。カナダオイルサンド鉱床北緯 50以北亜寒帯寒帯地域地表地下 500m鉱床発達しているため、油層ビチューメン化し固化している。そのため、深度の浅い地域では露天掘り200m 以深では油層スチーム送り熱を加え流動化させて開発している。これに対しベネズエラのウルトラヘビーオイルは、オリノコ川北岸熱帯サバンナ地域地下 600 ~ 1,000m の深度鉱床発達しているため、本来の粘性通常原油より高いが、油層においては流動化している。そのため現在稼動しているプロジェクトではポンピングによる汲み上げ方式によって開発している。
地表汲み上げられたオリノコヘビーオイルは、通常の原油比較して比重が重い上、硫黄分重金属多量に含むため、通常の製油所では精製できない。そのため改質アップグレード工程で軽質化、脱硫、脱重金属化したうえで、合成原油としてマーケット出される改質手法大きく分けて熱分解法炭素除去法)と水素化添加法の 2 種類がある。熱分解法水素化添加法と比較してコスト的には安価であるが、軽質分からなる合成原油の他にペトロコークスが副産物としてでき、その処理と有効利用問題になっている。これに対し水素化添加法はペトロコークスを副産物として産出しないのが利点であるが、水素添加装置建設コスト大きいという難点がある。
地下から汲み出されベネズエラのウルトラヘビーオイルは、このほか、界面活性剤加えた上で発電用燃料商品名はオリマルジョン)としてもマーケット出されている。
阿久津 亨、2006年3月




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