オカダンゴムシとは? わかりやすく解説

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オカダンゴムシ

節足動物門 甲殻綱 ワラジムシ目Isopoda オカダンゴムシ科Armadilldiiidae
ダンゴムシ類 Armadilldiiidae

オカダンゴムシ

主な種類
オカダンゴムシ Armadillidium vulgare (Latreille) ほか
形態
 体長約14mm、灰色暗灰色で、体は半円筒形で、刺激与えるとダンゴのように丸まるのが特徴胸部7節、腹部5~6節からなり、各節に肢を1対備える。
被害
 オカダンゴムシは植物の野菜食害する農業害虫として知られるまた、春に床下越冬していた個体室内侵入したり、大雨降った後には家の壁に多数がはい上がり室内侵入してくることから不快害虫となる。
生態
 オカダンゴムシは土の含水量20%程度土壌を特に好み通常落ち葉石の下植木鉢の下、花壇などに生息している。腐葉土含まれる腐植物を主な餌とし、これらを堆肥にまで分解してくれるため土壌生物として重要な分解者でもある。ワラジムシより水分少ないものも食べる。迷路歩かせると、右に曲がった次は左に曲がり、次は右にと、左右交互に方向転換する面白習性知られている。
 気温2025で最も良く活動し春秋2回の繁殖ピークがある。 1回4080産卵し、卵は雌の体表面にある育房(抱卵板)の中で孵化数日して離脱する

オカダンゴムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/15 08:59 UTC 版)

オカダンゴムシ
Armadillidium vulgare
オカダンゴムシ Armadillidium vulgare
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱 Malacostraca
亜綱 : 真軟甲亜綱 Eumalacostraca
上目 : フクロエビ上目 Peracarida
: ワラジムシ目(等脚目) Isopoda
亜目 : ワラジムシ亜目 Oniscidea
下目 : Ligiamorpha
上科 : Armadilloidea
: オカダンゴムシ科 Armadillidiidae
: オカダンゴムシ属 Armadillidium
: オカダンゴムシ A. vulgare
学名
Armadillidium vulgare
(Latreille, 1804)
和名
オカダンゴムシ
亜種
  • A. v. rufobrunneus

オカダンゴムシ (Armadillidium vulgare) は、日本では単にダンゴムシとも言い、人家周辺でよく見かける動物である。頭部には2対の触角が見られ、胸部には7対の歩脚があり、腹部は5節からなるが、上から見ればこれらの区別は難しく、灰色のやや長めの小判型の体に見える。背面は丸く盛り上がり、腹面は平らで、刺激を受けると、腹面を内側に丸まり、ほぼ完全な球形になる。これがダンゴムシの名の由来である。この姿は敵に対する防御の姿勢と考えられ、アルマジロやイレコダニなどとの平行進化の例である。特にタマヤスデとはよく似ており、知識がない人には区別できないほどである[1]

オカダンゴムシは世界共通で、人家周辺や先、などで見ることができる。石灰質の土壌を好む[2]。主に落ち葉雑草、動物の死骸などを食べて育ち、飼育下ではフナムシ同様に魚肉なども非常に好む。木登りも得意であり、幅広い植物の葉をかじったり茎ごと切り落とす。基本的に堅い木質は食べないものの腐食を起こした柔らかい部分は食べる。また、カルシウムなどを補うためにコンクリートの表面も摂取する。

初夏、まとまった雨が降った数日後、大量発生することがある。これらは主に夜間、やわらかい新芽を複数でたかって食害する。この時期、畑や園芸ポットに種を直蒔きする際は注意が必要である。なお、大量発生自体は2週間ほどで収束することが多い。

オカダンゴムシは、元々、日本には生息していなかったが、明治時代に船の積荷に乗ってやってきたという説が有力である。日本にはもともと、コシビロダンゴムシという土着のダンゴムシがいたが、コシビロダンゴムシはオカダンゴムシより乾燥に弱く、森林でしか生きられないため、人家周辺はオカダンゴムシが広まっていった[3]

オカダンゴムシと迷路

動物に迷路を通り抜けさせる実験を迷路実験という。普通は多くの回数をこなして学習をさせなければ成立せず、脊椎動物以外では複雑な迷路を覚えられるものはほとんどないが、迷路に入れられたオカダンゴムシが一発で通り抜けられることがある。

実は、オカダンゴムシには進行中に壁にぶつかると左へ、次は右へ(あるいは右へ、次は左へ)と交互に曲がっていく習性がある。この行動は「交替性転向反応」といい、左右に交互に曲がる事で天敵から逃げられる確率を高めているといわれている。実験によると、前に曲がった方向とは逆の方向へ曲がる確率は前転向点からの距離4cmで約85%、距離16cmで、初めて方向を選択する対照群との差がなくなる[4]。したがって、短い距離で交互に左右に曲がれば抜けられる迷路ならば、オカダンゴムシは学習なしで通り抜けられるのである。

出典

  1. ^ タマヤスデの一種”. ishida式のホームページ. 2010年11月23日閲覧。
  2. ^ 『生活害虫の辞典』
  3. ^ ダーウィンが来た! 〜生きもの新伝説〜 子どもたちのアイドル! ダンゴムシの秘密 2012年10月22日放送
  4. ^ 岩田清二、渡辺宗孝「ダンゴムシにおける交替性転向反応(2) 直進性と転向性」『動物心理学年報』第7巻、日本動物心理学会、1957年、53-56頁、ISSN 0003-5130。 

「オカダンゴムシ」の例文・使い方・用例・文例

  • オカダンゴムシ科の標準
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