オイリュトミー【(ドイツ)Eurythmie/Eurhythmie】
オイリュトミー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/28 02:45 UTC 版)
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オイリュトミー (Eurythmie)とは、ルドルフ・シュタイナーによって創造された運動を主体とする芸術である。舞踊、総合芸術、パフォーミング・アーツであるとも言われる。
ギリシア語のευ(eu:美しい)、ρυθμός(rythmos:リズム)から名付けられた。英語読みの「ユーリズミー(Eurythmy)」と呼ばれることもある。専門家はオイリュトミストと呼ばれる。
名称が似通っているリトミックとは直接の関連は無いが、音楽に合わせた身体の動きや即興演奏など共通事項が数多くあるので大人のリトミックともいうことができる。
概要
意識と身体のギャップを埋め、言葉または音楽の力を全身の動きに変換し、内臓(ミクロコスモス)を動かすエネルギー、惑星(マクロコスモス)を動かすエネルギーを関連付ける。また、言葉または音楽の持つエネルギーを身体表現によって具象化する。子音や母音には、一つずつ動きが定められており、子音の動きと母音の動きを組み合わせることで、言語を立体的に表現することを可能としている。
オイリュトミーは運動であるが、英語ではplayを使わずdo-する、行うと表現する。ダンスにも見えるが、厳密には「オイリュトミーを踊る」という表現は適切でないとされている。
分類
- 舞踏芸術としての芸術オイリュトミー
- 教育の課程としての教育オイリュトミー
- 療育的な観点から行われる治療オイリュトミー
- 職場で行われるソーシャルオイリュトミー
それぞれに、音楽と共に行うものと、言葉(詩の朗読など)と共に行うものがあり、その両方が無いものや絵画などに合わせる場合もある。
専門家養成
スイスのドルナッハにあるゲーテアヌム精神科学自由大学の芸術部門にて学ぶ事ができる。基本:4−5年間、更に、3年学ぶことで舞台オイリュトミストになることができる。
基本(4,5年間コース)
シュタイナー教育(又はヴァルドルフ教育)を実践している幼稚園、小学校、中学校、高等学校において、専科の科目として行われている。日本国内においては、シュタイナー学園初等部・中等部や、いずみの学校初等部・中等部をはじめとするいわゆるシュタイナー学校において実践されている。
芸術オイリュトミー(3年間コース)
ソロ、あるいは団体で行うものである。スイスのドルナッハ、ドイツのシュトゥットガルト、オランダのハーグ、イギリスのロンドンには、団体が存在する。
音楽を伴うオイリュトミーと言葉を伴うオイリュトミーは分けて行われるが、稀に、音楽と言葉を融合した形である声楽曲によるオイリュトミーも行われる。
治療オイリュトミー(2年間コース)
アントロポゾフィーの医師とともに治療にあたる。かならず医師の診断のもとに患者にオイリュトミーの処方箋が出され、それにもとづきセラピストとともに患者はオイリュトミーを動く。
日本のオイリュトミスト
2010年現在、日本には70名ほどのオイリュトミストがいるとされている。免許皆伝するためにはゲーテアヌムでの最終発表の卒業試験が必須である。
関連項目
オイリュトミー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 03:05 UTC 版)
「ルドルフ・シュタイナー」の記事における「オイリュトミー」の解説
音や言葉の質を身体の動きによって表現する独自の芸術「オイリュトミー」を考案した。これはシュタイナー教育のカリキュラムや障害児に対する治療教育にも用いられている。お茶の水女子大学の梅林郁子は、シュタイナーの思想において、言語(特に母音)、その表現としての動き(オイリュトミー)、人間の構成体、長調・短調のそれぞれが不可分であり、一つの有機的なまとまりになっていると指摘している。シュタイナーは文字を音として考え、同時に体験としてとらえようとし、この結びつきを前提として身体の動きでこの体験の表現を試みたものが、オイリュトミーである。当時手に入る最大限の情報と思想から言葉と音楽を有機的に結びつける道が探られている。ただし、その理論は言語や構成要素など複数の分野との関連を示しているにもかかわらず、実際には非ヨーロッパ音楽に触れる機会が少なかったこともあり、長調・短調というヨーロッパ音楽のみに基づいている。
※この「オイリュトミー」の解説は、「ルドルフ・シュタイナー」の解説の一部です。
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