エレベータの映像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 13:14 UTC 版)
「エリサ・ラム事件」の記事における「エレベータの映像」の解説
ラムの痕跡が見つからないままさらに1週間が経過した2月15日、ロサンゼルス市警察は知られている限りラムが最後に撮影された映像を公開した。それは2月1日に監視カメラによりセシル・ホテルのエレベータの1つで撮影されたものだった。ラムの奇妙な行動によりこの事件は世界中から関心を惹き付け、広く議論の的となった。 エレベータの内部の後方の天井の隅に見下ろすように置かれたカメラには、エレベータの内部だけでなく、外の廊下も映し出されている。映像は幾分か粒子が粗く、下部に表示されているタイムスタンプは不鮮明である。いくつかの時点でラムの口はモザイク処理されたかのように歪んで見える。 映像の開始時点で、灰色のTシャツの上にファスナーのある赤いフード付きのスウェットシャツを着て、黒色のショートパンツとサンダルを身につけたラムがエレベータに入る。エレベータに入ったのは左側からで、それから操作盤の方へ向かう。いくつかの階を選んだようで、その後に隅の方に下がる。ドアが数秒間閉まらずにいると、ドアに歩み寄り、ドアから頭が外へ出るように上体を出し、左右を見て、それからすぐに中へ戻り、壁の方へ後退し、その後に操作盤の近くの隅に移動する。ドアは開いたままである。 そして、再びドアへ歩み寄り、出入り口に立ち、側面に寄りかかる。突然、廊下の方に歩み出て、わきに1歩進み、その後にエレベータに戻り、わきの方を見て、それからエレベータを出る。その後に再び廊下の方へ行き、数秒間壁に隠れてほとんど姿が見えなくなる。ラムは壁に背を向けて外にいる。ドアは開いたままである。 右腕を頭の上に上げる。その後、向きを変えて再びエレベータに入り、両手をドアの側面に当てる。それから、操作盤へ向かい、たくさんのボタンを複数回押し、その後、エレベータに入ってきた方向にある壁の方に戻る。前に立っていた壁の場所に歩いていくときに、少しの間、再び両手を耳より上の方に当てる。ドアは開いたままである。 右の方を向き、前腕をこすり合わせ始め、それからわきの方に手を揺らす。このとき、手を開き、指を伸ばし、僅かに前方へ腰をかがめ、ゆるやかに体を揺らしている。この様子はドア越しに見ることができ、このときもドアは開いたままである。壁の方向へ再び戻り、左側へ歩き去ると、扉はようやく閉まる。 この映像は様々なウェブサイトで再投稿され、中国の動画共有サイトのYoukuにも投稿された。Youkuに投稿された動画は最初の10日間で300万回視聴され、4万件のコメントがついた。コメントした人の多くが視聴の際に不安感を覚えた。 ラムの行動を説明するいくつかの説が展開された。そのうちの1つは、ラムは自分を追跡する何者かから逃れるためにエレベータを動かそうとしていたというものだった。別の説は、ラムはエクスタシーまたは別のパーティドラッグの影響下にある可能性があるというものだった。ラムが双極性障害を患っていたことが知られると、ラムが精神病の発作を起こしているという説も生じた。 映像は世に出る前に加工されていると主張する視聴者もいた。タイムスタンプが不鮮明であるにも関わらず、彼らは部分的にスロー再生されている、映像が1分間近く慎重に削除されていると主張した。
※この「エレベータの映像」の解説は、「エリサ・ラム事件」の解説の一部です。
「エレベータの映像」を含む「エリサ・ラム事件」の記事については、「エリサ・ラム事件」の概要を参照ください。
- エレベータの映像のページへのリンク