FMEA
別表記:故障モード影響解析、Failure Mode and Effect Analysis
FMEAとは
FMEA(英: Failure Mode and Effect Analysis)とは、わかりやすくいえば「機械製品の故障・不具合がどこで発生しうるかを想定して抽出する分析手法」です。製品の設計や製造工程に含まれる可能性のある(潜在的な)故障の要因をあぶり出し、評価し、対策を講じることによって、製品の品質・信頼性を向上させ、ひいては製品の故障に起因する事故などの重大な事態を防ぎます。FEMAは日本語では「故障モード影響解析」と訳されることもあります。
FEMAは、Failure Mode and Effect Analysis の略です。日本語の「故障モード影響解析」は、これを直訳した言葉です。
FEMAの「故障モード」とは
FEMAの「故障モード」(Failure Mode)とは、いわゆる故障(の要因)を抽象化・類型化した区分のことです。言い換えると、個別の具体的な(現象としての)故障とは別の、その「具体的な故障」を引き起こすことになる状態、を指す概念です。
たとえば、「本体パーツが破損する」「動作(起動)しない」「漏電する」といった概念区分が故障モードの例として挙げられます。
故障モードは類型化された概念区分にすぎませんが、その具体的な要因および結果(影響)は、製品の設計や部品などの要因によって異なります。FMEAでは、可能性として想定しうる故障モードを列挙した上で、故障モードがもたらす影響(現象としての故障)の重要度を分析し、重要度にもとづき対策の優先度を順位付けして、故障モードの発生原因を突き止め対策を講じます。言い換えれば、このような(方法論化された)分析の手順がFMEAと呼ばれているわけです。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)技術本部ソフトウェア高度化センターが発行した「情報処理システム高信頼化教訓集(ITサービス編)」 ( https://www.ipa.go.jp/files/000065007.pdf )では、FMEAは故障モードという概念を駆使するこよによって「故障の質的予想を系統的に統一的に行うことが可能になる」と述べられています。
故障モード影響解析
別名:エフ・エム・イー・エー、FMEA
【英】:Failure Mode and Effect Analysis
製品またはプロセスについて、問題が発生する前に問題(故障モード)を識別し、予防する体系的な手法であり、「設計FMEA」と「工程FMEA」の2種類がある。
「設計FMEA」は、設計段階において、製品の故障モードを含めた設計以降の後工程(顧客まで)で発生する問題(リスク)を予測し、定量的に重みづけをした上で、リスク低減の方策(設計施策・製造施策)を実施する。信頼性、製造性の高い設計を目的に使われる。
「工程FMEA」は、製造品質に影響を及ぼすと考えられる製造プロセス上の品質不具合(リスク)を特定し、定量的に重みづけをした上で、リスク低減の方策(対策・管理)を実施する。新工程の早期安定化や工程の改善のために使われる。
また、自動車部品産業のISO9001セクター規格であるISO/TS16949において、コアツールとしてFMEAが要求されている。
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