設計FMEA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 08:16 UTC 版)
設計FMEA(設計故障モード影響解析:Design FMEA)は、製品設計段階で用いられる。製品を成す部品・ユニット毎に単純化された故障モードを挙げ、これらの故障モードが製品に及ぼす影響を予想することにより、潜在的な事故・故障を設計段階で予測・摘出する。さらにこれら故障モードに対して故障が発生する確率、発生した場合の影響の大きさ及び、発生の見つけにくさなどを評価・採点,ランク付けを行い重大な事故・故障を予防する。 なお、「ランク付け」について、次のような欠点を指摘する説もあり、最近は、ランキングではなく絶対評価をする方法を採用することもある。 評価が全部終わらないと対策を講ずべき対象が決まらず、設計業務が停滞する。 ランクを決めても、どこまで対策を必要とするか判断の基準がなく、カンに頼る結果となる。その証拠に、対策必要基準をRPN=100とする説、80とする説、125とする説など諸説紛々で全く統一性がない。このことは、基準を決める根拠が不在であることを示す。 ランクを決める考え方は、次のような誤った論拠に基づいている。すなわち、「FMEAは対策すべき対象を絞るために用いる。すべて対策を行うのなら採点は不要だから要因すべて対策を取れば良いわけでFMEAの登場場面はない。限られたリソース(時間、資金など)の中で問題解決する最大の効果を得るには優先付けすることが必要である。FMEAはそのためのツールである 」という。しかし専門家による設計は、機能と同時に信頼性を確保しつつ行うので、FMEAを実施しても少数の欠陥しか見つからないのであって、優先順位を問題にする必要性が全くない。RPNを指標とするFMEAは、完全に論拠を失っている。
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