故障モードの列挙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 08:16 UTC 版)
FMEAは故障モードを列挙することから始まる。基本的には故障モードは,典型的なものを含む。例えば、ボルトは折れるかもしれないし、配管は詰まるかもしれない。ただしこの時、その故障モードが実際に起こるかどうかは考えない。例えば「こんな太いボルトが折れるはずはない」とか「この配管はそもそも詰まるものは流れない」などというような故障モードが実際に発生するかどうかの可能性は考慮せずに列挙する。次に、故障モードを列挙する際、設計FMEAを行っているのであれば、設計した状態に潜在する故障モードのみを列挙する。つまり、対象の製品は設計どおりの正しい部品を正しく組み立てたという前提で考える。例えば、「ボルトの長さが足りない場合締結が不十分になる」などというのは工程FMEAで考慮する故障モードか(正しい部品をつけない、という故障モード)、あるいは単なる設計不具合(寸法を間違えた)となる。また、工程FMEAを考えるときも設計は正しいという前提で故障モードを列挙する。例えば、「寸法公差が不適切で部品同士が合わない場合がある」などというのは設計上のミスであって、工程FMEAで考慮すべき故障モードではない。なお、故障モードを列挙する際は、チームでブレーンストーミングをして列挙する方法も推奨されているが、より効率的な方法として誘導語付きブレーンストーミング(guided brain storming)である国際規格HAZOPを利用することが浸透してきている。
※この「故障モードの列挙」の解説は、「FMEA」の解説の一部です。
「故障モードの列挙」を含む「FMEA」の記事については、「FMEA」の概要を参照ください。
- 故障モードの列挙のページへのリンク