ウナギの完全養殖とは? わかりやすく解説

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ウナギ完全養殖

読み方:ウナギかんぜんようしょく
別名:うなぎ完全養殖、ウナギの完全養殖、うなぎの完全養殖

ウナギ養殖を完全に行うこと。ウナギ人工授精して孵化させ、成魚になるまで育て世代を継ぐ(子世代ウナギ孵化させる)まで、すべて人工的に行うこと。国内では特にニホンウナギの完全養殖を指すことが多い。

単に「ウナギ養殖」という場合、これは一般的に天然稚魚シラスウナギ)を漁獲して種苗として育て方式を指す。ウナギ長らく生態不明で、産卵場所も特定できていなかった。ウナギ孵化後に環境要因によって性別が変わる特性があり、孵化育成環境に関するデータ乏しかったため、世代継いで安定的に養殖する技術確立できていなかった。

ウナギにはニホンウナギヨーロッパウナギといった種類がある。いずれも天然個体数激減しており、絶滅危機瀕している。

農林水産省2010年にウナギの完全養殖を実現した発表した2014年時点ではまだ商業化目途立っていないが、研究進められている。

ニホンウナギの完全養殖

読み方:ニホンウナギのかんぜんようしょく
別名:ウナギの完全養殖

ニホンウナギ孵化から成長産卵に至る全ての段階を、人工的に制御され環境下で行わせること。

日本では来遊した稚魚シラスウナギ)を捕獲し種苗として育て養殖明治時代1879年ら行われてきた。現在流通しているニホンウナギは、輸入品含め、ほぼ全て稚魚から養殖生産されたものである。しかし、ニホンウナギ近年生息数減少しており、稚魚漁獲量減少傾向にある。2013年には環境省によってニホンウナギ絶滅危惧IB類に指定されるまでに至り養殖種苗となる稚魚安定的に確保するために、完全養殖実現望まれていた。

ニホンウナギは、仔魚レプトセファルス)から稚魚シラスウナギ)に成長する段階の飼育が難しく大多数死んでしまうことから、養殖には困難が伴った独立行政法人水産総合研究センターは餌やホルモン投与法などの改良繰り返した結果2003年世界で初め仔魚稚魚にまで成長させ、稚魚人工生産成功したが、生存率低く実用化および完全養殖実現にはさらなる研究が必要とされた。

ニホンウナギの完全養殖にあたっては、それまで多くが謎に包まれていたニホンウナギ生活史明らかにする必要があった。東京大学海洋研究所研究グループ外洋での生態調査行った結果2006年ニホンウナギ産卵場所がマリアナ海嶺付近であることが確定し2009年には産卵場所からの天然卵の採取初め成功した。その過程仔魚生育する温度産卵行動一部判明した。これらの成果踏まえて飼育法改良が行われた結果2010年独立行政法人水産総合研究センターにおいて、世界で初めてニホンウナギの完全養殖が成功した

その後2012年東京大学海洋研究所研究グループが、仔魚の餌がプランクトンの糞や死骸などからなるマリンスノー」であることを明らかにしたほか、人工飼料改良進み仔魚生存率が約9割にまで向上した2013年12月現在、ニホンウナギの完全養殖は実用化目途立ったといわれている。

関連サイト
特集1 養殖技術開発の最前線(5) - 農林水産省



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