ウエットウエア【wetware】
ウェットウェア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 22:26 UTC 版)
現在の生物学では脳や内臓・消化器官並びに生殖器を持つような多細胞生物を生み出すことは実現してないが、外部からのエネルギーを得て、自分の構成要素を環境から取り入れ、自己複製的に分裂するものの研究が進んでいる。将来的にはナノマシン技術の1つとして、特定の機能を持たせた人工単細胞生物による医療分野における活躍が期待されているほか、特定の物質を分解ないし無毒化する機能を持つ人工微生物による環境保全や、所定の分子構造を持つ生産物(燃料用アルコールから医薬品まで様々)をもたらすことも期待されている。 2003年の段階で塩基配列より人工ウイルスを約2週間で合成することに成功している。ただしウイルスは他の生物細胞内に侵入して自身の複製を行わせないと増殖できないため、生命の範疇に含めるかどうかには議論の余地がある。これは米代替バイオエネルギー研究所が1200万ドルの予算で2002年から行っている研究の一端で、5386塩基対を持つものであった。 2010年、アメリカのクレイグ・ヴェンター博士のチームはmycoplasmaのゲノムを表すほぼ完全なDNAを、酵母の中で合成し、本来のDNAを除去された近縁種の細菌の細胞に、合成したDNAを移植する手法で、自立的に増殖する人工細菌を作成することに成功している(この手法では、分裂の前段階で天然由来の細菌の細胞に頼ってはいるが、2回目の細胞分裂以降の細菌は人工的に合成された生物であると解釈している)。
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