ウィリアムズ・FW34とは? わかりやすく解説

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ウィリアムズ・FW34

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 16:36 UTC 版)

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ウィリアムズ FW34
カテゴリー F1
コンストラクター ウィリアムズ
デザイナー マイク・コフラン(テクニカルディレクター[1]
マーク・ギラン(チーフ・オペレーションズ・エンジニア[1]
ジェイソン・サマービル(空力責任者[1]
先代 ウィリアムズ・FW33
後継 ウィリアムズ・FW35
主要諸元
エンジン ルノーRS27-2012
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム ウィリアムズF1
ドライバー パストール・マルドナド
ブルーノ・セナ
出走時期 2012年
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
通算獲得ポイント 76
初戦 2012年オーストラリアGP
初勝利 2012年スペインGP
最終戦 2012年ブラジルGP
出走 優勝 表彰台 ポール Fラップ
20 1 1 1 1
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ウィリアムズ・FW34 (Williams FW34) は、ウィリアムズ2012年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー

概要

ウィリアムズは僅か5ポイントの獲得に止まった2011年の不振から脱出するため、技術部門の顔ぶれを一新。マイク・コフランテクニカルディレクターに就任し、FW34の開発を主導した。

エンジンはメーカーをコスワースからルノーに変更。チームが最後にタイトルを獲得した1997年以来15年ぶりに「ウィリアムズ・ルノー」が復活した。コスワースに比べるとサイズがコンパクトでマシンの低重心化に貢献しており、ラジエーターを小型化することで空力面の向上にもつながった[2]

超小型ギアボックスを採用した車体後部のコンパクトな設計は継続されている。FW33ではサスペンションの上アームをリアウィングの支柱に接続していたが、FW34では支柱を撤廃し、ギアボックス上の突起がウィングステーとサスペンションマウントを兼ねる方法に変更された[3]ドライブシャフトの上反角もFW33よりも緩くなっている。

2012年シーズン

2月7日、プレシーズンテストの幕開けとなるヘレス・サーキットでFW34が初公開された[4]

トップチームがピレリタイヤの取り扱い方に苦労する中、ウィリアムズはザウバーとともに上位をかきまわす存在となった。第5戦スペインGPではパストール・マルドナドがポールポジションを獲得し決勝でも優勝、ウィリアムズに7年半ぶりの優勝をもたらした。マクラーレンジェンソン・バトンは「ザウバーは高速コーナー、ウィリアムズは低速コーナーで僕らよりも速い」と語った[5]

マルドナドは予選Q3進出13回(PP1回、2位1回、3位2回)と速さをみせたものの、度重なる接触やペナルティーによりポイント獲得は5回に留まった。ブルーノ・セナは10戦でポイントを獲得したが、チームの判断により金曜フリー走行1回目をバルテリ・ボッタスに譲ったことがパフォーマンスに影響したと主張した[6]

2011年の大不振から復活したものの、前年まで在籍したルーベンス・バリチェロはドライバーの経験不足を指摘し、「彼らは少なくとも今の倍をポイントを獲れたはずだと思うので残念だ」と語った[7]。またコンストラクターズランキングは8位で、不振だった前年から1つだけしか上がらなかった。

スペック

[8][9]

シャシー

  • シャシー構造 カーボンエポキシおよびハニカム・コンポジットで成型されたモノコック構造FIAの衝撃・強度基準に合格)
  • フロントサスペンション カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン コンポジット・トーリンク プッシュロッドによるスプリング アンチロールバー
  • リアサスペンション ダブルウィッシュボーン プルロッドによるスプリング アンチロールバー
  • ダンパー ウィリアムズF1
  • ギアボックス ウィリアムズF1 7速シームレス・シーケンシャル・セミオートマチックシフト リバース付 電子油圧制御によるギア選択
  • クラッチ カーボン製マルチプレート
  • ホイール レイズ 鍛造マグネシウム
  • タイヤ ピレリ フロント幅325 mm / リア幅375 mm
  • ブレーキシステム APレーシング 6ピストンキャリパー(4輪) カーボン製ディスクおよびパッド
  • ステアリング ウィリアムズF1 パワーアシスト付ラック・アンド・ピニオン
  • 燃料タンク ALT ケブラー強化ゴム製
  • 電子システム FIA標準電子制御ユニット
  • 冷却システム アルミニウム製 オイル・冷却水・KERS・ギアボックスラジエター
  • コックピット 75 mm ショルダーストラップ付6点式安全ハーネス HANSシステム アルカンターラで覆った取り外し可能なカーボンファイバー製シート

エンジン

サイズ

  • 全長 5,000 mm
  • 全高 950 mm
  • 全幅 1,800 mm
  • ホイールベース FIA基準の最大値
  • 重量 FIA基準の最小値

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 ポイント ランキング
AUS
MAL
CHN
BHR
ESP
MON
CAN
EUR
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
SIN
JPN
KOR
IND
ABU
USA
BRA
2012 18 マルドナド 18 19 8 Ret 1 Ret 13 12 16 15 13 Ret 12 Ret 8 14 16 5 9 Ret 76 8位
19 セナ Ret 6 7 22 Ret 10 17 10 9 17 7 12 10 18 14 15 10 8 10 Ret

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c “新技術体制のウイリアムズ、復活に自信”. オートスポーツweb. (2012年2月7日). http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=38971 2012年3月11日閲覧。 
  2. ^ "ウィリアムズ躍進を支えたルノーエンジン". Topnews.(2012年8月23日)2012年12月20日閲覧。
  3. ^ “FW34解説”. STINGER. http://www.f1-stinger.com/f1-data/2012/machine/williams/ 2012年3月13日閲覧。 
  4. ^ "ウィリアムズ、ヘレスで新車を披露". ESPN F1.(2012年2月7日)2012年12月20日閲覧。
  5. ^ "「ザウバーやウイリアムズの方が速い」とバトン". オートスポーツweb.(2012年7月10日)2012年12月20日閲覧。
  6. ^ "http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=45513". オートスポーツweb.(2012年12月12日)2012年12月20日閲覧。
  7. ^ "ルーベンス・バリチェロ 「ウィリアムズは少なくも倍のポイントを獲れた」". F1-Gate.com.(2012年10月4日)2012年12月20日閲覧。
  8. ^ “ウィリアムズFW34”. F1-Gate.com. (2012年2月7日). http://f1-gate.com/williams/fw34.html 2012年3月13日閲覧。 
  9. ^ “ウィリアムズFW34スペック表”. F1トップニュース. http://www.topnews.jp/spec-williams-fw34 2012年3月13日閲覧。 



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