イタリアの交通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 06:09 UTC 版)
   イタリアでは、公営・私営の交通機関が開発されている。イタリアの鉄道網は、特にバスや飛行機の利便性が薄れる(これらの手段もいくらかは利用されている)北イタリアにおいて、特に普及している。多くの私鉄が、通勤用の路線を運営する一方で、国鉄(フェッロヴィーエ・デッロ・スタート)は、ナポリからミラノ、トリノのような北部都市までの主要都市を結ぶ、洗練された高速鉄道路線を運営している。イタリアには、平均して12.46 km2(世界7位)の土地に1 kmの線路が存在し、そこに2,507人の住人がいる[1]。
イタリアの道路網は、広範囲に及んでおり、全長は約487,700 kmである[2]。これには、ほとんどが有料道路である、広域にわたる高速道路ネットワーク(6,400 km)や、国道、地方道も含まれる。
イタリアにはまた、その長い海岸線のため、物資や乗客の輸送を行う多くの港湾が存在する。エトルリアやギリシャの時代から、船乗りの半島であった。
鉄道
   イタリアの鉄道網は、全長19,394 km (12,051 mi)であり、このうち18,071 km (11,229 mi)は標準軌、11,322 km (7,035 mi)は電化区間である。狭軌には、以下の種類がある。
- 1,000 mm (3 ft 3+3⁄8 in) - 全長112 km (70 mi)(全電化)
 - 950 mm (3 ft 1+3⁄8 in) - 全長1,211 km (752 mi)(うち153 km (95 mi)電化)
 
高速鉄道
イタリアの高速鉄道は現在、全ての地方の主要都市を結ぶ2路線からなる。最初の路線は、ミラノからボローニャ、フィレンツェ、ローマ及びナポリ経由でサレルノまでを、2番目の路線は、トリノからミラノ経由でヴェネツィアを結んでおり、この路線は建設途中である。鉄道は、300 km/h (190 mph)以上の最高速度を想定して設計されている。
NTVのような他の会社は、トレニタリアを、2012年から同じ路線で運行させ競合している[3]。
地下鉄
地下鉄の走る都市:
| 都市 | 名称 | 路線数 | 全長 (km) | 駅数 | 開通 | 
|---|---|---|---|---|---|
| カターニア | カターニア地下鉄 | 1 | 4 | 6 | 1999 | 
| ジェノヴァ | ジェノヴァ地下鉄 | 1 | 7.1 | 8 | 1990 | 
| ミラノ | ミラノ地下鉄 | 4 | 92 | 101 | 1964 | 
| ナポリ | ナポリ地下鉄 [4] | 2 | 15.8 | 19 | 1993 | 
| ローマ | ローマ地下鉄 | 2 | 41.5 | 52 | 1955 | 
| トリノ | トリノ地下鉄 | 1 | 13.2 | 21 | 2006 | 
通勤列車の走る都市:
- バーリ(バーリ・メトロポリタン鉄道)
 - ミラノ(ミラノ近郊鉄道)
 - ナポリ - 5路線
 - パレルモ(パレルモ・メトロポリタン鉄道)
 - ローマ - 8路線(FR線)
 
近隣国との接続
   イタリアの主要鉄道、トレニタリアは、イタリアからフランス、スイス、オーストリア及びスロベニアを繋ぐ路線を運営している。チザルピーノ(トレニタリアとSBBに所有された)、レーティッシュ鉄道、SNCFといった他社も、国際路線を運営している。また、バチカンも時々使用される鉄道によって結ばれている[5]。サンマリノには、かつてイタリアと結ぶ狭軌の鉄道が存在したが、1944年に廃止された[6]。
駅
   イタリアの年間乗降客数の多い駅10:
| 駅名 | 年間乗降客数 (万人)  | 
    
|---|---|
| ボローニャ中央駅 | 5,800 | 
| フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅 | 5,900 | 
| ジェノヴァ・プリンチペ広場駅 | 2,400 | 
| ミラノ中央駅 | 12,000 | 
| ナポリ中央駅 | 5,000 | 
| ローマ・テルミニ駅 | 15,000 | 
| トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅 | 7,000 | 
| ヴェネツィア・メストレ駅 | 3,100 | 
| ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅 | 3,000 | 
| ヴェローナ・ポルタ・ヌオーヴァ駅 | 2,500 | 
背景を着色している駅は、高速鉄道が乗り入れている
道路
   
   
   イタリアは、2010年時点で、1,000人あたり690台の自動車があり、1人あたりの所有する台数が最も多い国の1つである[7][8]。イタリアには、全長487,700 kmの舗装道路があり、このうち6,400 kmが、最高速度130 km/h (81 mph)の高速道路である。町内の制限速度は一般には50 km/h (31 mph)であり、30 km/h (19 mph)の場所もある。
水路
限られた値ではあるが、イタリアには、様々なタイプの商用交通用である航行可能な2,400 km (1,491 mi)の水路がある[9]。
港湾
| イタリアの港湾一覧 | 
|---|
| イタリアの貨物取扱が多い港(2008年)[10] | イタリアの乗客数が多い港(2008年)[10] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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空港
イタリアには、2010年時点で合計132の空港があり、このうち101に舗装滑走路がある[9]。
- 3,047 m以上: 9
 - 2,438〜3,047 m: 30
 - 1,524〜2,437 m: 18
 - 914〜1,523 m: 31
 - 914 m未満: 13
 
2010年時点での未舗装滑走路のある空港[9]
- 合計: 31
 - 1,524〜2,437 m: 1
 - 914〜1,523 m: 11
 - 914 m未満: 19
 
大規模空港トップ10
   以下は、2009年時点でイタリアの最も忙しい空港トップ10の一覧である[11]。
| 空港 | 便数 | 乗客数 | 貨物 (トン) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 到着 | 出発 | 合計 | 到着 | 出発 | 合計 | ||
| ローマ・フィウミチーノ国際空港 | 311,679 | 16,150,965 | 16,294,531 | 32,445,496 | 64,069 | 72,001 | 136,070 | 
| ミラノ・マルペンサ国際空港 | 169,389 | 7,946,725 | 7,885,436 | 15,832,161 | 159,687 | 167,382 | 327,069 | 
| ミラノ・リナーテ国際空港 | 92,884 | 4,160,526 | 4,130,569 | 8,291,095 | 7,972 | 8,532 | 16,504 | 
| ヴェネツィア・テッセラ空港 | 67,160 | 3,220,072 | 3,216,922 | 6,436,994 | 12,511 | 13,005 | 25,516 | 
| ボローニャ・ボルゴ・パニゴーレ空港 | 53,022 | 2,117,111 | 2,124,922 | 4,242,033 | 6,920 | 8,887 | 15,807 | 
| ナポリ・カポディキーノ国際空港 | 52,367 | 2,406,886 | 2,426,418 | 4,833,304 | 1,935 | 1,142 | 3,077 | 
| ボローニャ・オーリオ・アル・セーリオ空港 | 52,120 | 3,310,447 | 3,325,468 | 6,635,915 | 4,597 | 4,951 | 9,548 | 
| カターニア・フォンターナロッサ空港 | 50,503 | 2,768,158 | 2,794,629 | 5,562,787 | 5,229 | 3,204 | 8,433 | 
| ファルコーネ=ボルセリーノ空港 | 46,182 | 2,089,904 | 2,071,786 | 4,161,690 | 1,618 | 1,656 | 3,274 | 
| トリノ・カゼッレ空港 | 42,649 | 1,494,395 | 1,494,981 | 2,989,376 | 794 | 625 | 1,419 | 
| その他 | 333,181 | 15,470,588 | 15,507,497 | 30,978,085 | 37,396 | 32,991 | 70,387 | 
| 合計 | 1,271,136 | 61,135,777 | 61,273,159 | 122,408,936 | 302,728 | 314,376 | 617,104 | 
関連項目
- イタリアの経済
 - イタリアの歴史
 - イタリアの再生可能エネルギー
 - イタリアの観光
 
出典
- ^ 国の鉄道路線長順リストと比較
 - ^ CIA World Factbook 2005
 - ^ “Parte a marzo Ntv, nuova alta velocità Napolitano: "Più sviluppo per il Sud"” (Italian). Corriere del Mezzogiorno. (2011年12月13日) 2011年12月19日閲覧。
 - ^ メトロナポリ線
 - ^ “La Ferrovia dello Stato della Città del Vaticano” (Italian). Sala stampa della Santa Sede. 2012年1月9日閲覧。
 - ^ “la "Ferrovia Rimini - San Marino"” (Italian). www.ferroviedismesse.com. 2012年1月6日閲覧。
 - ^ John Sousanis (2011年8月15日). “World Vehicle Population Tops 1 Billion Units”. Ward AutoWorld 2011年8月27日閲覧。
 - ^ 国別自動車所有台数一覧も参照
 - ^ a b c “Italy”. The World Factbook. CIA. 2012年1月8日閲覧。
 - ^ a b “Graduatoria dei porti italiani”. Istat. 2012年1月9日閲覧。
 - ^ “Trasporto aereo 2003-2009”. Istat. 2012年1月9日閲覧。
 
外部リンク
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