アルタル・デ・サクリフィシオスとは? わかりやすく解説

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アルタル・デ・サクリフィシオス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/15 22:58 UTC 版)

アルタル・デ・サクリフィシオス (Altar de Sacrificios) は、グアテマラ中部、パシオン川流域にあるマヤ遺跡である。雨期に増水によって水面下になってしまうパシオン川の両岸を見下ろすパシオン南岸の小高い丘に立地する。アルタル・デ・サクリフィシオスの居住は、マヤ低地最古[1]に属する先古典期中期のシェー[2](紀元前900年頃)から始まり、古典期終末まで続く。アルタル・デ・サクリフィシオスの中核部は、A・B・Cの3つの建築グループで構成され、400平方メートルを超える範囲にひろがっている。アルタル・デ・サクリフィシオスの神殿ないし建築物の特徴は、通常基壇の上に神殿がたてられた場合に見られる持ち送り式アーチ(疑似アーチ)の建物の痕跡がみられないということである。そのため、神殿本体は、木造土壁茅葺きのような腐りやすい材質で建てられていたと考えられる。


  1. ^ 先古典期後期と古典期に大都市が築かれたパシオン、ウスマシンタ流域を含むペテン低地および周辺に限れば現在のところ「最古に属する」といえる。最も古いのはベリーズのクエリョ遺跡から発見されたスワジー式土器で、研究者によるが、現在は紀元前1200年頃に位置づけられている。そのあとのブラーデン相がシェー相並行である。コウは、「スウェィジー/ブレーデン期」として紀元前1000年-紀元前700年に位置づける(コウ 2003, p.67)。
  2. ^ 発掘報告書では、土器の内容や性格に重点を置いた場合は、ceramic complexと表現されるが、時期に重点を置いた場合は、phaseを用いる傾向があるので、以下本文中時期を表現するのに「相」を用いる。
  3. ^ スミスは769年としているが (Smith 1972, table2.)、新しい見解であるウィリーの記述 (Willey 2001, p.17) に従う。石碑15には9.16.18.5.1. 5 Imix 4 Xulと、13 Ahau 18 Cumku (9.17.0.0.0.) の2つの日付が刻まれている (J.A. Graham 1972, pp.58-61)。単純に計算すると、9.16.18.5.1.では769年、9.17.0.0.0.では771年になる。
  4. ^ J.A. Graham 1972, table1など
  5. ^ Smith 1972, Fig.17やp.49では南端部の基壇をプラットフォームDとしており、Fig.17ではA-II頂上部のプラットフォームをA-C, Eしか描写されておらず、北端部の様子が不明。Fig.16の復元図では、構築物Cの段階で南端部の三段の基壇以外に、7段の基壇の上部にそれぞれ祭壇が置かれた4つのプラットフォームが並んで描かれている。
  6. ^ 紀元前1800年頃のテコマテや深鉢に代表される土器が作られた時期をいう。単色か2色ないし3色に彩色し、器面に刻線や彫り込み線を施した。儀礼に用いられる飲み物や食料の入れ物に使用されたと考えられている。また、メソアメリカでも最古の土偶が作られた(コウ 2003, pp.58-9)。
  7. ^ 紀元前1500年から1400年頃で、土器の器面に二枚貝のへりで施文(ロッカースタンピングと呼ばれる。日本考古学では貝殻腹縁文と呼ばれる)したり、縄文が施文された(コウ 2003, pp.59-60)チャパス州の先古典期
  8. ^ 日本人研究者によって訳語が分かれている。たとえば青山は、「精胎土オレンジ土器」と呼ぶ(サブロフ 1998, p.114)。


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