ナクムとは? わかりやすく解説

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ナクム【Nakum】


ナクム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/11 09:48 UTC 版)

ナクム
アクロポリスに立つ神殿E
遺跡の位置
所在地 グアテマラペテン県
座標 北緯17度10分33.4秒 西経89度24分18.5秒 / 北緯17.175944度 西経89.405139度 / 17.175944; -89.405139座標: 北緯17度10分33.4秒 西経89度24分18.5秒 / 北緯17.175944度 西経89.405139度 / 17.175944; -89.405139
種類 定住地
歴史
時代 先古典期 - 古典期
文化 マヤ

ナクム(Nakum)は、グアテマラペテン県東部にある古代マヤ遺跡。

南のヤシュハ、東のナランホとともに、現在はヤシュハ=ナクム=ナランホ国立公園スペイン語版の一部をなす。公園は2006年にラムサール条約登録地となった[1]

遺跡

ナクムとはユカテコ語で「ヒョウタンの家(場所)」という意味である[2]

比較的大型のマヤ遺跡で、南北2つのグループに分かれ、両者は長さ285メートルの舗装されたサクベで結ばれている[2]

建造物Aの入口はマヤ文明で一般的な持送りアーチではなく、上が丸くなったアーチを持つ点が珍しいが、最近南の入口は完全に崩壊してしまった[3]

調査

フランスのモーリス・ド・ペリニフランス語版伯爵が1905年にナクムを発見し、写真を撮影した。1910年にピーボディ考古学・民族学博物館による探検が行われた[4]

2006年からポーランドヤギェウォ大学による長期間の発掘が行われている[5]。2011年、建造物15号から約1300年前(7-8世紀)と約2000年前の支配者の墓が未盗掘の状態で発見され、2000年前のものはマヤでは珍しい女性の支配者と判断された[6][7]

歴史

ヤギェウォ大学の研究によると、ナクムとその一帯は紀元前1000年以降に定住がはじまり、紀元前700-500年ごろの建造物複合体からは、当時すでに支配者層が形成されていただけでなく、天文観測が行われていたことも明らかになった。古典期の終わりにおいても重要な都市のひとつだった[5]オルムル川スペイン語版の河畔にあり、おそらく交易上重要な場所を占めていた[8]

古典期終末期の9世紀になって、ほとんどの建物が改造され、多数の新しい建造物が建てられた[9]ティカルナランホといった周辺の都市の崩壊が原因となり、チチェン・イッツァなどに見られる新しいイデオロギーを受けて建造物を改造したと考えられるという[10]

脚注

  1. ^ Parque Nacional Yaxhá-Nakum-Naranjo | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2006年2月2日). 2023年4月11日閲覧。
  2. ^ a b Kelly (1996) p.124
  3. ^ Kelly (1996) pp.124-125
  4. ^ Kelly (1996) pp.127-128
  5. ^ a b Nakum – the town of Polish Mayanists, Uniwersytet Jagielloński w Krakowie, http://www.projektor.uj.edu.pl/sp/past-times-distant-places/nakum 
  6. ^ Rachel Kaufman 『古代マヤの女王の墓を発見、グアテマラ』ナショナルジオグラフィック日本版 ニュース、2011年9月23日http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4921/ 
  7. ^ 『見どころ案内:最北部:ペテン』DTACグァテマラ観光情報局http://www.dtac.jp/cs_america/guatemala/entry_149.php 
  8. ^ Hermes & Żrałka (2012) p.198
  9. ^ Hermes & Żrałka (2012) p.177
  10. ^ Hermes & Żrałka (2012) pp.198-199

参考文献



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