土器編年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/03 23:49 UTC 版)
「アルタル・デ・サクリフィシオス」の記事における「土器編年」の解説
アルタル・デ・サクリフィシオスの土器編年は、先古典期中期初頭のシェー相から原古典期のサリナス相まで連続性をもっている。シェー相の土器は、メソアメリカ最古と目されるグアテマラ太平洋岸のバラ相、オコス相の系譜をひきつつ、タバスコ州のチョンタルパ平原の先古典期前期の土器との類似性が指摘され、バラ、オコスを想起させるテコマテ(楕円形の無頸壺)などが代表的な器形として挙げられる。先古典期後期のプランチャ相の土器はチカネル期の典型的な赤、黒、クリーム色の蝋のような光沢をもつことで知られる単色土器や注口土器である。サリナス相の土器は、乳房型四脚土器と偽ウスルタンの縞文様が施された土器で、続くアイン相までその連続性が残る。アイン相の後半に円筒型三足土器が出現するなどようやくペテン地方の古典期前期の影響が明確になり始める。パシオン相の土器が、ペテンの古典期後期の典型的なテペウ相(ワシャクトゥンの編年で古典期後期に相当)の土器で、鮮やかな絵や象形文字が描かれた彩文土器がみられる時期である。代表的なものは埋葬96号から検出されたAltar Vaseと呼ばれる円筒形の土器で、しゃがんでいたり踊っていたりする人物が鮮やかな色彩で描かれている。ボカ相の土器はファイン・ペーストと呼ばれる精緻で焼成が良好で焼きしまった土器が出土する。良質ないし精胎土オレンジ土器 (Fine Orange ware) やFine Grayと呼ばれるもので、はるか東方(メキシコなど)や北方(ユカタンなど)からの影響によるものと考えられる。ヒンバ相になると良質オレンジ土器と同じ胎土の土偶が圧倒的となり、メキシコ湾岸との関係をうかがわせる。
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