彩文土器とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 地理 > 考古学 > 土器 > 彩文土器の意味・解説 

さいもん‐どき【彩文土器】


彩文土器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 13:32 UTC 版)

彩文土器

彩文土器(さいもんどき)は、素焼き土器の一種で、酸化鉄により赤色黒色白色などで、単純な模様動物の姿などを描いた土器である[1]。原始農耕文化の誕生により発達を見せた。「彩色土器」とも呼ぶ。 メソポタミア古代エジプト近代以前のインドなど、世界各地の新石器文化で彩文土器が使用されており、中国でも使用されている。そして、中国で作られた彩文土器を特に「彩陶(さいとう)」と呼び[1][2]仰韶文化の指標とされる[3]。彩陶は、赤みがかった胎土の表面に、などの顔料で文様を描いた土器であり[4]仰韶遺跡半坡遺跡などで出土している。なお、彩文土器は、メソポタミアが起源だとする説が有力であったが、中国が起源だとする説もある。

中国の彩文土器 (彩陶)

中国では、黄河流域や西北部の甘粛地方を中心に、各地で彩文土器が出土する。最初期の土器には筆描きによる装飾はいまだ見られず、彩文土器が現れるのは新石器時代中期以降である。彩文土器を伴う文化としては、黄河中・上流域では仰韶文化陝西省河南省)、甘粛地方では馬家窯文化(または甘粛仰韶文化、甘粛省青海省)、黄河下流域では大汶口文化山東省江蘇省)がある。仰韶文化は半坡遺跡(西安郊外)を標識遺跡とする半坡類型(4000年BC頃)と廟底溝遺跡(河南省)を標識遺跡とする廟底溝類型(3300年BC頃)に分かれる。半坡遺跡は彩文土器で知られるが、出土した土器の大半は粗陶で、彩文土器は全体の5%ほどであった。甘粛地方の馬家窯文化は、馬家窯類型(3000年BC頃)、半山類型(2600年BC頃)、馬廠類型(2200年BC頃)に分けられ、彩文土器の出土を特色とする。黄河下流域の大汶口文化(4000 - 2300年BC頃)は山東省泰安市の大汶口遺跡を標識遺跡とし、初期には紅陶が中心だが、彩文土器もある[5][6]

脚注

  1. ^ a b 彩文土器/彩陶”. www.y-history.net. 2020年12月6日閲覧。
  2. ^ 日本大百科全書. “彩陶”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2023年4月7日閲覧。
  3. ^ 彩陶(さいとう)の意味 - goo国語辞書”. goo辞書. 2020年12月6日閲覧。
  4. ^ 彩陶鉢 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2020年12月6日閲覧。
  5. ^ 弓場紀知『古代の土器』(平凡社版 中国の陶磁 1)、平凡社、1999、pp.90 - 96
  6. ^ 矢部良明「中国陶磁史の梗概」『中国の陶磁』(展覧会図録)、東京国立博物館、1994、p.241

外部リンク


彩文土器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:09 UTC 版)

中国の絵画」の記事における「彩文土器」の解説

彩文土器は、土器表面幾何学文、人物文などを描いたもので、黄河流域西北部甘粛地方中心に中国各地出土する最初期の土器には筆描きによる装飾はいまだ見られず、彩文土器が現れるのは新石器時代中期以降である。彩文土器を伴う文化としては、黄河中・上流域では仰韶文化陝西省河南省)、甘粛地方では馬家窯文化(または甘粛仰韶文化甘粛省青海省)、黄河下流域では大汶口文化山東省江蘇省)がある。仰韶文化半坡遺跡西安郊外)を標識遺跡とする半坡類型4000年BC頃)と廟底溝遺跡河南省)を標識遺跡とする廟底溝類型(3300年BC頃)に分かれる半坡遺跡は彩文土器で知られるが、出土した土器大半粗陶で、彩文土器は全体の5%ほどであった甘粛地方馬家窯文化は、馬家類型3000年BC頃)、半山類型2600BC頃)、馬廠類型2200年BC頃)に分けられ、彩文土器の出土特色とする。黄河下流域大汶口文化4000 - 2300年BC頃)は山東省泰安市の大汶口遺跡標識遺跡とし、初期には紅陶が中心だが、彩文土器もある。

※この「彩文土器」の解説は、「中国の絵画」の解説の一部です。
「彩文土器」を含む「中国の絵画」の記事については、「中国の絵画」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「彩文土器」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「彩文土器」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



彩文土器と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「彩文土器」の関連用語


2
彩色土器 デジタル大辞泉
100% |||||


4
彩陶 デジタル大辞泉
100% |||||

5
Anew デジタル大辞泉
78% |||||


7
モヘンジョ‐ダロ デジタル大辞泉
56% |||||


9
バーンチェーン遺跡 デジタル大辞泉
50% |||||


彩文土器のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



彩文土器のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの彩文土器 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの中国の絵画 (改訂履歴)、テル・ハラフ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS