アフィニティ・チャーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 16:47 UTC 版)
「格安航空会社」の記事における「アフィニティ・チャーター」の解説
1958年に、パンアメリカン航空が世界初の座席数が100席を超える大型ジェット旅客機であるボーイング707型機をニューヨーク-ロンドン線に導入した。それに続いて、1960年代に入ると、日本航空やエールフランス航空、英国海外航空やヴァリグ・ブラジル航空などの国営や準国営を中心とした航空会社がボーイング707型機やダグラス DC-8型機、コンベア880型機などの大型ジェット機を相次いで導入した。 大手航空会社の急激な新鋭機の導入を受けて、長年の間ヨーロッパ大陸と北アメリカ大陸間の主要な移動手段であったオーシャン・ライナー(大型客船)が完全に衰退した上に、それまで使用されていた大型レシプロ輸送機がチャーター航空会社を中心とした中小の航空会社に格安で払い下げられたこともあり、国際線の航空運賃の下落が期待された。 IATAカルテルは前項の通り外交や政策からIATA非加盟の航空会社も操作し1970年代までの間に一般旅客が格安運賃で航空機を使って国内外を移動する手段は、イギリスのモナーク航空やレイカー航空、アメリカのデンバー・ポーツ・オブ・コール航空などのチャーター航空会社が運航する、わずかにIATAによって認められていた「アフィニティ・チャーター(旅行クラブの会員など、なんらかの関連性があるメンバーのみで乗客が構成された団体ツアー向けチャーター便)」などの特殊かつ条件付き手段にほぼ限られていた。例外はいくつか有りアイスランドのアイスランディック航空(Loftleiðir英名:Icelandic Airlines・en)はジェット化タービンエンジン旅客機への更新が遅れ就航中の北大西洋横断便でアイスランド経由は所要時間が長くローカル航路にあたり、1964年この航路にターボプロップエンジンのカナディアCL-44型機を新規導入した際は全席をエコノミー仕様でIATAが割増で認めた追加料金「ジェット料金」は当然対象外で低速長時間飛行の代わりに低価格料金を設定して旅客にアピール、時間に縛りがないバックパッカー達がこぞって搭乗した。パンアメリカン航空や英国海外航空、サベナ航空やルフトハンザ・ドイツ航空などの大手航空会社は、このような「IATAカルテル」によって守られた割高な国際線の運賃体系と無競争状態、そして政府からの援助の下で高い収益を上げ、それを元にして現在から見れば「放漫経営」である経営状況だった。
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