アシストマルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:43 UTC 版)
鉄道情報システムが開発し、2010年より提供している音声・映像情報入出力装置付き指定席券売機。指定席券売機に小型カメラとオペレーターとの通話機能を追加したもの。各社で以下の名称を用いている(基本的な機能に差異はない)。 JR北海道 - 「話せる券売機」。2019年1月7日より導入開始。 JR東日本 - 「話せる指定席券売機」。2020年3月14日より広野駅・富岡駅・大野駅・双葉駅・浪江駅で導入開始。 JR東海 - 「サポートつき指定席券売機」。2017年10月1日より幸田駅を皮切りに導入開始。 JR西日本・JR四国 - 「みどりの券売機プラス」。JR西日本は2010年1月30日より須磨駅と甲南山手駅でみどりの窓口廃止による代替を皮切りに運用開始。JR四国は2020年8月3日より善通寺駅、詫間駅、今治駅を皮切りに運用開始。オペレーターは両社共にJR西日本交通サービスが担当。 JR九州 - 「なんでも私に聞いてください!「ど~ぞ」」。2020年4月1日より笹原駅・春日駅・水城駅を皮切りに導入開始。 リモートマルスと同様にオペレーターによる対応が可能となったことで、検索にかからない複雑な経路の乗車券や学割乗車券など、みどりの券売機では取り扱えなかった乗車券の購入、通学定期券の新規購入と年度跨ぎの継続購入、各種乗車券の払い戻しなどが可能となっている。払い戻し時のきっぷ類や証明書の提示は、カメラ読み取り部に乗車券や証明書などを置き、オペレーターとの対話によって処理を行う。 但し、「レール&レンタカー」など一部のトクトクきっぷ、多くのイベント券や団体乗車券などは指定席券売機と同様に取り扱いはできない。また、一葉化券の部分払い戻し(特急券と乗車券が1枚で発行されたきっぷの乗車券または特急券のいずれかのみを払い戻すなど)のような特殊な場合も取り扱いができないことがある。取り扱いのできない対応については、近隣のみどりの窓口設置駅までの無料乗車票(乗車時は有人改札利用・設置駅が無人駅の場合はそのまま乗車)が発券され、利用者が乗車票で指定された駅で処理や発行を依頼する場合がある。 リモートマルスではすべての操作においてオペレーターとのやりとりが必要であったが、アシストマルスではオペレーターを通さずに従来のタッチパネルのみで乗車券類の購入も可能で、これがリモートマルスと大きく違う点である。従来の指定席券売機の機能で買えない券種(寝台券や周辺無人駅相互間の普通回数券など)は画面右下の「呼び出し」(当初は「きっぷの購入に関するお問合せ」)を押してオペレーターを呼び出して購入する。 交通新聞社やJTBが発行している時刻表において、アシストマルスを設置している駅は『みどりの窓口設置駅』として扱われている。また出札・改札業務の集約化の一環として、改札業務の遠隔システムである「改札口コールシステム」と合わせて、「みどりの券売機プラス」の導入を積極的に進める方針を示しており、有人窓口(みどりの窓口)を2018年度当初時点での180駅から2030年度ごろには拠点駅・新幹線駅など約30駅程度にまで規模縮小したうえで、2018年度当初時点で約50駅となっている「みどりの券売機プラス」設置駅数を、これまで有人のみどりの窓口が1つしかなかったような小さな駅を中心に100駅程度(2030年度頃)にまで拡大し、それ以外の駅のほぼ全ての有人駅にはICカードの購入やクレジットカードを利用した定期券購入が可能な高機能型券売機を導入する方針を示している。 なお、JR北海道の札幌駅・南千歳駅・新千歳空港駅にて2021年1月21日より利用を開始した「きっぷ精算機」は、通常のきっぷ精算(乗車券を挿入して不足額を精算する機能)のほか、トマム駅で発券された「QRコード乗車駅証明書」を用いて、アシストマルスと同様の操作方法で運賃・料金の精算を行う機能を有している。
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