リモートマルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:43 UTC 版)
JR東日本が2000年度より研究開発し、2005年(平成17年)3月25日より導入した「係員遠隔操作型指定券発行システム」のこと。オペレーターと通話しながら座席指定券や定期乗車券などを購入するシステムで、JR東日本では「もしもし券売機 Kaeruくん」の名称で導入された。有人のみどりの窓口を閉鎖し、その代替として設置されたため、営業案内や市販の時刻表ではみどりの窓口として扱われた。 2005年(平成17年)3月25日、青梅線の西立川駅・東中神駅・中神駅・福生駅・羽村駅・小作駅・東青梅駅に導入され、その後2006年(平成18年)春には八王子支社・高崎支社・水戸支社・千葉支社・秋田支社の一部の駅に導入された。 指定席券売機と同じ筐体の右側に書画台(画像では機械の右にある読み取り台)を備えており、学生割引など各種割引の申込みに対応し、みどりの窓口とほぼ同様の商品の購入が可能であった。使用済みの申込書・証明書類は読み取り台の端にある回収口(写真)に投入する。 なお、鹿島神宮駅を除く東京近郊区間内の設置駅ではSuica定期券も発売し、読み取り台の下にSuica定期券の発券口が設置された。 人員配置の効率化を図りつつ、通常の指定席券売機よりも多種の乗車券類の発券が出来、証明書が必要な割引乗車券類の発行や乗車券類の払い戻しや変更に対応しているメリットがある一方、みどりの窓口の代替として設置されたものにも関わらず、みどりの窓口で扱う全てのものが取り扱われていなかったり、利用が集中した場合にはオペレーターに繋がるまで時間がかかるなどの問題もあった。 地元自治体からは、駅の合理化が、地域の地盤沈下につながると懸念する意見があった。 2012年に入り、老朽化を理由に秋田支社と高崎支社で「Kaeruくん」を廃止し、(オペレーターとの対話機能のない)指定席券売機を設置する旨が発表され、その後公式ウェブサイトでも、各駅情報の「みどりの窓口」の欄に「Kaeruくん」の営業終了日が記載されるようになった。2012年3月22日の青堀駅設置分の廃止をもって、端末は全廃され、導入からわずか6年で廃止されることとなった。JR東日本以外での導入はなかった。 Kaeruくんの読み取り台 Kaeruくんの読み取り台上部 まだ使用の開始されていない「Kaeruくん」と、「Kaeruくん」の使用開始後は閉鎖される有人窓口
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