アイリスチャンなどの南京ホロコースト説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 20:12 UTC 版)
「南京事件論争」の記事における「アイリスチャンなどの南京ホロコースト説」の解説
南京事件をホロコーストと呼ぶ説があり、誇張・プロパガンダともされている[要出典]。 アイリス・チャンは著書「ザ・レイプ・オブ・南京」の副題に「忘れられたホロコースト」と付け、南京の犠牲者は26万から35万にのぼり、東京大空襲や広島・長崎の原爆投下の犠牲者(犠牲者推計約23万8900人)よりも多く、南京事件を犠牲者は580万とも推計されるナチスドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)と同一視した。またチャンの著作が刊行された1997年11月30日にニューズウィークはチャンの著作と内容が重複する編集部書名記事「南京のレイプを白日の下に晒してみよう(EXPOSING THE RAPE OF NANKING)」を報道した。 一方、リチャード・フィンはチャンの数字は誇張であり、当時南京にいたラーベは犠牲者を5万〜6万人、現地入りしたダーディン特派員は数千人と記録していると批判した。ハーバード大学のエズラ・ヴォーゲルもラーベの記録はチャンの数よりはるかに少ないと指摘している。スタンフォード大学のデビッド・M・ケネディは「南京で起こった事件はホロコーストに見られる組織的な殺戮と同一視されるべきであると結論を下す理由を、チャンは読者に与えていない」と評した。『ニュー・リパブリック』誌のジェイコブ・ハイルブランは「ホロコーストはナチによる組織的、計画的、かつ政府組織をあげてのユダヤ民族の絶滅を目指す殺人行為だった。だが、南京破壊は戦争犯罪であり、中国人絶滅の試みなどではない。日本政府が事前に残虐行為を命令した証拠はなく、前線の軍隊が暴走した結果だろう。その意味では、南京でのような事件は歴史上、他にも多数、起きたといえる。センセーショナルな宣伝文句に間違った比較を使うことには納得できない」「事件はあくまで軍隊の一部による戦争犯罪であり、日本以外の国の軍隊も同じようなことはしてきたのだ」とコメントし、さらに中国政府は大躍進政策や文化大革命での何百万の大量虐殺に直面することを避け続けていると批判した。 その他にも内外のマスコミや中国の2000年以降の見解にもホロコーストの表現が見られる。
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