ぶらくり丁ループバス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 22:34 UTC 版)
「ぶらくり丁商店街」の記事における「ぶらくり丁ループバス」の解説
先述のとおり、ぶらくり丁の衰退の大きな原因として交通アクセスの不便さがあった。これを改称すべく、株式会社ぶらくりはシャトルバス「ぶらくり丁ループバス」の運行を計画した。株式会社ぶらくりの計画では、ぶらくり丁を経由してJR和歌山駅と南海和歌山市駅を結ぶ循環運転としていた。既存路線と重複しないルートを選定した上で地元のバス事業者に運行を委託し。運賃は100円均一のワンコインバスとして、商店街の各店舗が発行するバスチケットも利用可能とする予定であった。 和歌山市もこれに同意し、市の予算でバスをを2台購入。環境に配慮して燃料を天然ガス (NGV) に改造した車両とした。専用車両はパンダを模した車体と路面電車を模した車体を架装した特装車で、マイクロバスの三菱ふそう・ローザを採用し、車内行先表示にはLEDを採用するなど豪華装備であった。またバリアフリーに配慮して車体後部扉にはリフトを装備し車椅子での乗車も可能とした。そして2001年(平成13年)3月25日から「ぶらくり丁ループバス」が運行開始、同日に記念式典が行われた。運行は和歌山バスに委託し、毎日10時から19時まで10分間隔の高頻度で運行された(火曜運休)。 しかし市の事業として運行されたため、株式会社ぶらくりが計画した鉄道駅を結ぶルートから、当時経営難であった市営駐車場とぶらくり丁を結ぶルートへ変更された。その結果、バスの利用者はほとんどなく空気輸送と化してしまった。また運賃無料とされたことから市税負担が多大となった。そのため、わずか1年後の2002年(平成14年)3月に「ぶらくり丁ループバス」は廃止された。 2001年(平成13年)6月の和歌山県議会議事録には「ぶらくり丁ループバス」について以下のような記録がある。 まず和歌山市では、県立医大の移転などで訪れる人が減少したぶらくり丁やその周辺の活性化対策として、三月二十五日から市営の城北や本町駐車場を起点とする無料のぶらくり丁ループバスを走らせております。このバスは二台で運行され、パンダの絵柄が採用されたパンダバスと、路面電車をイメージした路面電車バスがあります。しかし、スタートの直前に丸正百貨店が破産し、和歌山ビブレも撤退してしまい、利用客は伸びていないのが現状のようで、朝日新聞の記事では一便の平均乗客数は三・五人と当初の予想を大幅に下回り、千七百万円の税金が一年間の維持費として使われていると紹介されておりました。和歌山市の商工振興を目的に発車したバスですが、丸正やビブレがなくなるといった時代の流れを読み取れなかった点では、残念に思う次第であります。 — 平成13年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(永井佑治議員の質疑及び一般質問)、和歌山県議会
※この「ぶらくり丁ループバス」の解説は、「ぶらくり丁商店街」の解説の一部です。
「ぶらくり丁ループバス」を含む「ぶらくり丁商店街」の記事については、「ぶらくり丁商店街」の概要を参照ください。
- ぶらくり丁ループバスのページへのリンク