その後のカンニング対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 23:07 UTC 版)
「大学入試問題ネット投稿事件」の記事における「その後のカンニング対策」の解説
翌年平成24年のセンター試験では、試験直前に一旦携帯電話・スマートフォンを卓上に置かせ、電源を切らせた上で再度仕舞うよう監督者が指示を出し、カンニング対策に務めた。試験中の巡回を増やす、見回りを徹底させるなどの監視強化を実施する他、東北大学や山梨県立大学では指定された封筒内に携帯電話を封入させた上でかばんにしまわせるといった対策を行なった。 また、カンニングと疑われる様な行為に対する罰則等も強くされ、青山学院大学では2012年の入学試験から、かばんの中から携帯電話の振動音がしただけで失格にするとされ、明治大学は募集要項中に、携帯電話が鳴った際はかばんごとまとめて会場外に出すと記した。 一方、この事件を契機に東京工業大学は、電源が入っている携帯電話がある位置を特定するシステムを開発した。今までにも似たシステムは開発されていたが、既存システムの欠点であった位置特定精度を誤差3メートルから誤差40センチメートルへと高めたとされる。2015年現在、コストパフォーマンスの問題から入学試験会場でこそ使われていないものの、首脳会談などの高度なセキュリティーを要求される場所でこのシステムが稼働している。 当事者となった京都大学では、腕時計型端末が普及した影響も有り、不正行為の巧妙化そして再発を恐れ、2016年度入試より筆記試験の際に個人所有の時計(腕時計,置時計,スマートウォッチ等)を使用することが全面禁止となった。しかし、同時に受験生側が解答上において不利を強いられることを懸念されるため、大学側が試験会場に壁掛け式の電波時計を設置することとした。また壁掛け時計の場合、座席位置などによって受験生側から時計が見えづらくなる可能性も配慮して試験官にも自主的に時計を見せる等で経過時間を報告するように促されている。受験の際に個人所有の時計の持ち込みが禁止になることは、全国の大学で初めての措置である。
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