さらなる統合と激震(1980—90年代)
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「コミック・ストリップのシンジケート配信」の記事における「さらなる統合と激震(1980—90年代)」の解説
1980年代はコミック・ストリップ・シンジケート業界にとって再編と激震の時期となった。1983年、ルパート・マードックのニューズ・コーポレーションがフィールド・ニュースペーパー・シンジケートを買収し、翌年にはニュース・アメリカ・シンジケート (NAS) と改名した。 1986年、レジスター・アンド・トリビューンがハーストとキング・フィーチャーズに430万ドルで身売りした。同年末、『シカゴ・トリビューン』紙はハーストのキング・フィーチャーズ、スクリップスのユナイテッド・メディア、ニューズ・コーポレーションのNASが米国のコミック・ストリップ・シンジケートのトップ3社だという分析を載せた。同年12月末にはハーストがNASを買収した(社名はノースアメリカ・シンジケートに改められた)。 NAS社長リチャード・S・ニューカム(英語版)は売却計画(初めて公になったのは1986年10月)を受けて1987年1月に退社し、ロンドンの出版者ロバート・マクスウェルから資金援助を得て、売却契約の締結前にクリエイターズ・シンジケート(英語版)を立ち上げた。1987年2月13日の設立から1か月もしないうちにクリエイターズは『B.C.』の全世界配信権を獲得し、さらに数か月後にはハーブロック作品の配信権を獲得した。クリエイターズは1930年代以降に設立された独立系シンジケートのわずかな成功例の一つとなった。また同社はコミックシンジケートとして初めて漫画家が作品の著作権を保有することを認めた。 1987年半ばの時点で、シンジケート各社の配信作品数ランキングは以下の通りだった。 キング・フィーチャーズ(ハースト・コーポレーション)、194作品 ノースアメリカ(ハースト・コーポレーション)、122作品 トリビューン・メディア・サービス(トリビューン・カンパニー(英語版))、120作品 ユナイテッド・フィーチャー(ユナイテッド・メディア)、85作品 ロサンゼルス・タイムズ・シンジケート(タイムズ・ミラー・カンパニー(英語版))、85作品 ニュースペーパー・エンタープライズ・アソシエーション(ユナイテッド・メディア)、76作品 ユニバーサル・プレス、74作品、 ニューヨーク・タイムズ・シンジケーション・セールス(ニューヨーク・タイムズ・カンパニー(英語版))、51作品 ワシントン・ポスト・ライターズ・グループ(ワシントン・ポスト・カンパニー(英語版))、37作品 マクノート、24作品 親会社で比べるとハーストが316作品で首位を占め、ユナイテッド・メディアが161作品でそれに次ぎ、トリビューン・カンパニーが120作品で三位となった。 マクノートはその後1989年9月に倒産した。 ユニバーサル・プレスは1990年からクリエイターズに倣って作家に自作の著作権を全て保持させるようになった。また、5年以上契約を継続した作家に対して年に4週間の休暇を与える制度を導入した。 1996年、ユニバーサル・プレスは「デジタル・エンターテインメント・コンテンツ」の配信を行うユニバーサル・ニューメディア(後にUclick(英語版)に改名)を設立した。 1997年の『ワシントン・ポスト』紙記事では、当時存在していたコミック・ストリップ・シンジケートは9社だとされた。記事ではそのうちユナイテッド・メディア、クリエイターズ、ユニバーサル・プレス、ワシントン・ポスト・ライターズ・グループ、クロニクル・フィーチャーズ(英語版)が言及された(ほかの4社はキング・フィーチャーズ、トリビューン・カンパニー・シンジケート、ニューヨーク・タイムズ・シンジケート、ロサンゼルス・タイムズ・シンジケートである)。 同年のうちにユニバーサル・プレスがクロニクル・フィーチャーズを買収し、後に自社に統合した(ユニバーサル・プレスはそれ以前から、コミック・ストリップ『ファーサイド(英語版)』や『ビザロ(英語版)』、テッド・ロール(英語版)の風刺漫画など人気作の権利をクロニクルから取得していた)。
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