さらなる成功
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/30 16:08 UTC 版)
クラウスは単に成功をおさめた機関車製造業者としてだけでなく、その他の技術的な発展、たとえばカール・フォン・リンデによる最初の冷凍機の製造にも貢献した。またザクセン王国、テューリンゲン州、エルザスなどの鉄道路線建設や、ミュンヘンやウィーンの馬車鉄道の蒸気運転への更新、キームゼー鉄道(ドイツ語版)、ミュンヘンの地方鉄道(ドイツ語版)などにも参加した。さらに1876年にはこんにちのドイツ技術者協会(ドイツ語版) (VDI) の設立者の1人となり、1903年にはドイツ博物館の設立に際して10万マルクを支援し、また彼の造った最初の機関車「ラントヴュールデン(ドイツ語版)」を買い戻した。 また技術者としても先述のクラウス・システム以外に、クラウス社の技師長であったリヒャルト・フォン・ヘルムホルツと協力して1888年にクラウス・ヘルムホルツ台車(Krauss-Helmholtz Truck)と称する、1軸先台車を備える機関車の曲線通過を円滑にする機構を考案している。 これは先行したビッセル式1軸先台車に範を採りつつ、1軸先台車の左右軸箱を2頂点とするトラスバーフレームの残る1頂点を、隣接する第1動軸の中央部に設けられた専用の軸箱と関節を介して結合、ここを支点の一つにして1軸先台車のラジアル運動を行わせることで、1軸先台車本体の首振りに合わせて第1動軸を左右にわずかにスライドさせる機構である。 この機構は直線区間で発生する1次蛇行動を各輪軸が逆方向へ移動する作用によって抑止し、急曲線区間では機構全体にかかる側圧によって先台車および第1動軸をともに車体から相対的に曲線路の内側へ逃がし、さらにそれによって圧縮された復元ばねの作用で曲線通過後の先台車のポジション復元を実現する。 これにより、従来は急曲線通過時に軌条側面と車輪のフランジの間に生じる摩耗が大きかった1軸先台車を備える大型機関車であっても、2軸先台車を装着する大型機関車に匹敵するほど摩耗が大幅に低減され、また軌条にかかる横圧の低減も実現、軌道保守の負担が軽減された。そのため、この機構はドイツおよびオーストリアで製作される1軸先台車を備える大型機関車に広く採用されている。
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