【AGM-65】(えーじーえむろくじゅうご)
AGM-65 Maverick(マーベリック)
米軍などで広く使用されている空対地ミサイル。
AGM-12の後継としてヒューズ社(後にレイセオン社)が1968年から開発を開始し、1972年に量産型が米空軍に納入された。
撃ちっ放し能力を持ち、主に対戦車攻撃や小型施設(バンカーやレーダー・ミサイルサイト)の破壊に使われる。
主な発射母機はA-4、A-6、A-7、A-10、AV-8B/GR7、F-4、F-5、F-15E、F-16 Block50/52plus、F/A-18、F-111、P-3C、A-50、AH-1W、SH-2G。
現在では生産終了し、軍の備蓄分のみとなっている。
発射時のコールは「ライフル」。
スペックデータ
全長 | 2.49m |
直径 | 30.5cm |
翼幅 | 71.12cm |
発射重量 | 207.9kg(AGM-65B) 218.25kg(AGM-65D) 353.2kg(AGM-65E) 365.5kg(AGM-65F) 301.5kg(AGM-65G) 360.45kg(AGM-65K) |
射程 | 1~40km |
速度 | 超音速 |
推進方式 | 固体推進方式 |
エンジン | チオコール TX633デュアル推力減煙モーター |
誘導方式 | TV誘導(AGM-65A/B/H) 画像赤外線誘導(AGM-65D/F/G) セミアクティブレーザー誘導(AGM-65E) |
弾頭 | HEAT(AGM-65A/B/D/H(57kg)F/G(136kg))/HE(AGM-65E) |
信管 | 着発信管(AGM-65A/B/D/F/G/H)/遅延信管(AGM-65E) |
発射機 | LAU-88(3連装)・LAU-117 |
バリエーション
- AGM-65A
米空軍向けのTV誘導型。初期量産仕様。
- AGM-65B
A型のシーカーに目標画像拡大機能を追加する改良を施し、ロックオン距離を延長した型。
- AGM-65C
アメリカ海兵隊用にセミアクティブレーザー誘導を採用し、弾頭重量を2倍にした。開発費の高騰によりキャンセル。
- AGM-65D
B型の改良型。赤外線画像誘導方式を採用することで、全天候発射能力を持っている。
- AGM-65E
一度キャンセルされたC型とほぼ同一の性能をもつアメリカ海兵隊仕様。遅延信管、弾頭をHEATからHEに変更。
- AGM-65F
米海軍向けの対艦攻撃仕様。D型のシーカーとE型のHE弾頭を持ち、遅延信管が採用され、対艦攻撃に最適化されている。
- AGM-65G
D型の弾頭をE型のものに変更し、ソフトフェアのアップグレードも行われている。
小型目標用にAGM-65G2も製作された。
- AGM-65H
B/D型のシーカーを交換した型。
当初はミリメートル波のアクティブ・シーカー型として開発されていたが、1993年に一度開発がキャンセルされ、開発再開後はCCD型テレビシーカーが採用された。
- AGM-65J
F型のシーカーをH型のものに換装した型。
- AGM-65K
G型のシーカーをH型のものに換装した型。
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