「公娼」言説とは? わかりやすく解説

「公娼」言説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 09:24 UTC 版)

日本の慰安婦問題」の記事における「「公娼」言説」の解説

公娼」も参照 他方日本軍慰安婦制度を「公娼制度として認識する歴史学者もいる。1997年発表した研究において歴史学者藤目ゆきは、日本では前近代より公娼制度があったが、近代日本公娼制度ヨーロッパ近代公娼制度をモデルとして再編成されたものと指摘したうえで、 日本における従来公娼制度廃娼運動研究は、一般に近代日本公娼制度前近代公娼制度からの延長線上に把握し、これを特殊日本的前近代的な制度として認識してきた。「欧米文明国」には公娼制度存在しない信じ込み近代日本公娼制度存在もっぱら日本後進性・前近代性の表出錯覚するのである。 と指摘し、「日本にのみ公娼慰安所があった」とする見方について批判し各国における近代公娼制度の比較研究展開したまた、秦郁彦は、慰安婦を「戦前日本定着していた公娼制度戦地版と位置づけるべき」と主張している。このほか、山下英愛川田文子宋連玉藤永壮、眞侑里らも公娼制という概念によって研究をしている。ただし、公娼の意味については論者によって異なるところもあり、統一見解がだされているわけではない商社員として約三年半の間、中国漢口慰安所について見聞きして来た小野田寛郎2005年文章で慰安婦制度背景について兵士も、やはり(女性求める)若い人間であり、一方にはそうまでしてでも金を稼がねばならない貧し不幸な立場女性のいる社会実際に存在した」とし、「『従軍慰安婦』なるものは存在せず、ただ戦場で「春を売る女性とそれを仕切る業者」が軍の弱みにつけ込んで利益率のいい仕事をしていたと言うだけのことである。」と述べている。 その他、歴史学者倉橋正直2010年著書日本軍慰安婦には「性的奴隷型」と「売春婦型」の2つのタイプがあったとして、画一的な「従軍慰安婦解釈批判している。また倉橋は「近代日本における公娼制は検黴制などの近代的要素前借制、楼主への人身隷属などの封建的要素複合している」と書いている。 朴裕河世宗大学教授自著『帝国の慰安婦』において慰安婦を「精神的な慰安者」「軍人戦争遂行助けた愛国女性」「自発的な売春婦」とする自身研究結果発表した、として元慰安婦9名からこの著書の出版停止求めて提訴されソウル東部地裁当該記述削除しなければ出版することを禁じ判決下した。しかし朴裕河本人は「自発的売春婦とは書いていない」とこれを否定し、争う姿勢見せている。

※この「「公娼」言説」の解説は、「日本の慰安婦問題」の解説の一部です。
「「公娼」言説」を含む「日本の慰安婦問題」の記事については、「日本の慰安婦問題」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「公娼」言説」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「公娼」言説」の関連用語

「公娼」言説のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「公娼」言説のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本の慰安婦問題 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS