「仙台」が示す範囲による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 10:07 UTC 版)
「仙台弁」の記事における「「仙台」が示す範囲による分類」の解説
「仙台」という言葉は、仙台市のみならず、旧仙台藩領内を指す漠然とした広域地名として現在も使われている(→「仙台」参照)。「仙台弁」「仙台出身」「仙台名産」「仙台工場」など、おおよそ「仙台」と付くものは、以下の5つの分類のいずれかの範囲を念頭に命名されている。 旧仙台藩領だった地域(岩手県南部、宮城県全域、福島県新地町) 宮城県内 宮城県仙台市を中心とした仙台都市圏 仙台市 仙台城下町があった地域(仙台市都心部) 「仙台弁」においては、昭和後期まで、岩手県南部と宮城県の住民の帰属意識が仙台藩であったために、(1)旧仙台藩の範囲で仙台弁と定義されていた。その後、岩手県南部の住民に「岩手県民」という意識が強くなり、(1)旧仙台藩の範囲で定義されることはまれになった。 また、宮城県内においても、他県出身者の増加で帰属意識が仙台藩から「宮城県民」になってきたことと、広域地名としての「仙台」を知らない他の地方の人によって、(2)宮城県の範囲で新たに宮城弁という単語が作られた。しかし、成立過程からも「宮城弁」は他称であって自身で言うことはまれであり、一般には(2)宮城県の範囲で仙台弁と自称される。 ただし、宮城県内の方言の地域差を取り立てて言う場合に限り、(3)仙台都市圏あるいは(4)仙台市の範囲で仙台弁の定義域とする場合がある。 このように「仙台弁」は一意に決まらず、かと言って「宮城弁」という言葉も馴染みがないこと、また、後述するような地域差も考慮して、マスメディアでは(2)宮城県の範囲について「宮城の方言」「宮城の言葉」または単に「方言」などと言うことが多い。 なお、仙台都市圏は支店経済の影響もあって人口の流入・流出共に激しいため、標準語・共通語を使用する者が多いが、この記事では、後述する高齢者が主な話者となっている「旧仙台弁」と、若年層の男性が主な話者となっている「新仙台弁」について記載する。また、(5)仙台城下町の範囲である「仙台城下弁」(西川源太郎の著作に定義あり)、および、武家の「御家中言葉」については取り立てて記載しない。
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