「五・一五事件」との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 15:08 UTC 版)
「佐々木丙二」の記事における「「五・一五事件」との関係」の解説
佐々木丙二が五・一五事件を契機に予備役に編入された直接的な要因は、犬養毅首相官邸襲撃隊の一人であった村山格之が、佐々木が艦長を勤めていた駆逐艦「薄」の乗組士官であったこととされるが、佐々木自身も事件関係者に近い思想を持ち、青年将校による昭和維新運動に理解を示していたと考えられる。 佐々木は、海軍文庫所蔵の「特高警察調査の海軍士官ブラックリスト(昭和11年1月調)」に「予大尉 佐々木丙二 新京軍政部艦政課員」として記載されている。同リストには、五・一五事件関係者や海軍の革新派青年士官による同志組織である王師会のメンバーが多数記載されているほか、南雲忠一、真崎勝次、山下知彦、石川信吾、加来止男、源田実、小園安名ら合計68名が記載されている。 在満中の佐々木は、伊藤亀城、大庭春雄ら複数の五・一五事件関係者を新京の自宅に寄宿させていた。 五・一五事件関係者と佐々木丙二との関係氏名事件前の軍務等事件当日の行動判決事件後の佐々木との関係三上卓海軍中尉(海兵54期)、巡洋艦「妙高」乗組 第一組:首相官邸襲撃・犬養毅首相殺害 反乱罪・禁錮15年 横須賀海軍刑務所に佐々木の妻が面会に行き、筆墨を贈る 古賀清志海軍中尉(海兵56期)、霞ヶ浦海軍航空隊付 第二組:内大臣官邸襲撃・警視庁襲撃 反乱罪・禁錮15年 青島及び東京で一時同居 黒岩勇予備役海軍少尉(海兵54期) 第一組:首相官邸襲撃・犬養毅首相殺害 反乱罪・禁錮13年 ― 中村義雄海軍中尉(海兵56期)、霞ヶ浦海軍航空隊付 第三組:立憲政友会本部襲撃 反乱罪・禁錮10年 ― 山岸宏海軍中尉(海兵56期)、横須賀鎮守府付 第一組:首相官邸襲撃 反乱罪・禁錮10年 弟(特務機関員)・姉(婦人公論記者)が新京の家に宿泊 村山格之海軍少尉(海兵57期)、駆逐艦「薄」乗組(艦長:佐々木丙二) 第一組:首相官邸襲撃 反乱罪・禁錮10年 海洋研究所に参加 伊藤亀城海軍少尉(海兵57期)、佐世保鎮守府付 上海陸戦隊で戦傷し入院中 反乱予備罪・禁錮2年執行猶予5年 新京の家に居候 大庭春雄海軍少尉(海兵57期)、潜水母艦「駒橋」乗組 佐世保 反乱予備罪・禁錮2年執行猶予5年 新京の家に居候 林正義海軍中尉(海兵56期)、佐世保鎮守府付 佐世保 反乱予備罪・禁錮2年執行猶予5年 海洋研究所に参加 塚野道雄海軍大尉(海兵47期) 佐世保 反乱予備罪・禁錮1年執行猶予2年 新京の家に来宅
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