警視庁襲撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 21:03 UTC 版)
首相官邸を襲撃した三上中尉ら第一組の先発5名は「決戦」を挑むため警視庁本部前に到着した。しかし、三上らの予想に反して警視庁では何の警戒体制も取られておらず、拍子抜けした三上らは自首するためそのまま麹町の憲兵隊本部へ向かった。その後、政友会本部から転進して来た第三組が警視庁前に到着し手榴弾を投擲するが、建物には届かず電柱を爆破したのみに終わる。この時、内大臣邸から転進してきた第二組もほぼ同時に到着していたが、第三組はそれに気づかずそのまま走り去り、ビラを配布しつつ憲兵隊本部へ向かった。その後、第二組も手榴弾2発を投擲するが、いずれも不発であった。不審に思って近づいてきた警察官に古賀が拳銃を発砲、更に、警視庁の玄関に向かって池松らが発砲し、居合わせた警視庁書記1人と読売新聞記者1人を負傷させると、警視庁を立ち去って憲兵隊本部へ向かう。更にその後、第一組の残りの4名が警視庁前に到着、他の組が襲撃した後を見て、庁内に侵入、警視総監の居場所を尋ねるが、「不在」との回答を受けるとガラス扉を蹴破って立ち去り、憲兵隊本部へ向かった。 このように警視庁での「決戦」を目指しながらも、集合時間さえ決まっておらず、各組がバラバラに行動して連携も取れていなかったことにより、警視庁での「決戦」は失敗に終わった。
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