「テロ」説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 14:12 UTC 版)
この事故は、北京から平壌へ向けて走っていた朝鮮労働党総書記金正日を乗せた専用列車が通過したしばらく後に発生したことから、それを狙ったテロではないかと憶測がなされた。 北朝鮮では報道されないが、大事故や爆発事故が1980年代以降にも何回か起きており、現地状況を考えると鉄道施設の老朽化による単純事故と見られている。韓国政府もテロを否定している。 一方で、中国の新華社通信は金正日を狙ったものであると報道している。 金正日の専用列車が運行する際には、金正日の警護と万一の事故防止の為その路線の列車は全て止められ駅に待機させられる処置が取られる。専用列車の正確な通過時間は極秘のため駅には知らされず、その前後のかなり長時間に渡り列車は止められてしまうとされる。運行再開後の各駅では遅れを取り戻すために大混乱になるのが常だったと伝えられる。この事故はその混乱の際に起きたという説がある。 2010年には当時の鉄道相であった金容三が外部に列車通過予定時刻を漏らしたという理由で処刑されたとする報道が2011年4月の朝鮮日報でなされた。 イギリスのジャーナリスト、ゴードン・トーマスは、FACTA2008年4月号で、モサド(イスラエル諜報特務庁)工作員の情報として、次の内容を挙げた。列車にはシリア人核技術者が乗車しており、北朝鮮から核物質を受け取ろうとしていた。技術者たちの遺体は鉛で覆われた棺桶に納められ、シリア軍用機で国外に運び出された。そして、モサドは北朝鮮が事故後、55㎏の兵器級プルトニウムを回収したと分析したという。同記事によると、さらに2007年9月3日、韓国籍を偽装した北朝鮮船がシリアのタルトゥース港に寄港したが、この時積み荷にプルトニウムが積まれているとモサドは解析した。これらの事件が、2007年9月6日に行われた、イスラエルのオーチャード作戦(英語版)(シリア核施設空襲事件)の決め手になったとしている。 ゴードンは2015年3月17日発売の"Gideon’s Spies:The Secret History of the Mossad"(『ギデオンのスパイ-モサドの秘史』)第7版で、モサド筋の情報について、より詳しく言及している(シリア人核技術者は12人で、全員死亡したことなど)。ただし、爆発の原因自体については、トーマスも不明とした。またアメリカ合衆国のジャーナリスト、ネット・セイヤーによると事故の直後に、脳性マヒの男性になりすまして北朝鮮に滞在したモサド工作員がいたという。またセイヤーは列車の積み荷は、シリア向けのミサイル部品だったとしている。 いずれにせよ、モサドが事故に直接関わったかどうかは不明である。
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